福井保久の二十四節気考

今年の12月7日は旧暦で11月5日、この日は大雪(二十四節気)です。

師走らしく慌ただしくなる大雪の頃は、冬が来たことも実感します。

二十四節気には一つの節気を初候・次候・末候と三つに分けた七十二候があります。
大雪の次候は、「熊蟄穴(くまあなにこもる)」です。

動物が、新陳代謝を最小限にすることで、寒い冬を乗り越えるために身に付けた術です。
生物が命をつなぐために途方もない工夫をした結果です。

動物だけでなく、植物も同じように工夫しています。

この時期の農家の庭先には冬野菜が育っています。
白菜、大根、ほうれん草等々で、これらは寒くなるに連れて甘みが増します。

これは野菜が、自身が持つ水分が凍ってしまわないように、糖分を増やすからです。

この仕組みは、サツマイモでも起こります。
白菜やほうれん草よりも水分が少なくデンプンが多いサツマイモは、デンプンを糖に変えることで寒さから身を守ります。
干し芋が、サツマイモだけの原料なのにあれだけ甘くなる秘密です。

今年も寒さを待っての干し芋作りが間近です。

福井 保久