いもたつLife
3月の治作

<白魚ともずくの酢の物>
おいしい白魚を食べると、
三木助の落語の枕を思い浮かべます。
おいしいという条件付きですが。
うるい、浜防風と春がそろっていました。
そして酢がうまい。

<ふきのとうご飯>
「春だねぇ~」
香りが漂います。
旬のものを食べれる嬉しさありですが、
それを感じることができる有難さがありました。

<お造り>
アカイカ これぞイカです。
イカらしいイカを食べられる機会がないことに
気が付きます。
ヒラメ 不覚にもワサビと醤油のつけ方が甘かった!
想像以上に旨さを秘めているヒラメでした。
ウニ もちろんミョウバンは使っていません。
人間の感覚をあまくみないでね。
と世間に言いたいです。
マグロ キメが細かいんですよね。
そして口の中に甘さの余韻が続きました。

<すっぽんの茶碗蒸し>
この茶碗蒸しがひとつのことを教えてくれます。
茶碗蒸しは料理ではなく、
茶碗蒸しは料理法だと。
本物は原則を語ります。
もう一杯食べたかったなぁ~

<とり貝の酢味噌和え・酢じめのアジの卯の花和え・蛸の桜煮>
そして和え物2種は春そのもの、
そして蛸、なんで蛸は火充分通っていても生でも、
その美味しさの顔を見せるのでしょうか。

<天ぷら>
これも春です。
稚鮎、うど、竹の子、タラの芽、そらまめ、行者にんにく。
ご愛嬌で「ほしいもの天ぷら」も、
ほろ苦味、ほろ甘さ、ほろ素朴さ がおいしいし、
塩と木の芽味噌でお好みにできるところがgood

<焼き物と煮物>
桜鱒 まず綺麗なことで合格です。
味付けと身のほぐれ感触がマッチ、
私的には皮がやっぱり美味しい!

むつ これだけでは食べられません。
酒と一緒も良いのですが、
ご飯と一緒でさらに美味!

甘鯛 いつも勝負になってしまいます。
眼肉がおいしいよ、頬肉がおつだよ。の世界です。
骨までしゃぶりつきます。

<炊き合わせ>
ストレートな魚料理の後だから、
一塩なのです。
格闘の後 胃にやさしく、脳に満足を与えてくれました。

<すっぽん雑炊と笹団子>
今日の流れで待ってました!です。
今日の〆はこれしかありません。
たまごが合います。そして、器に映えます。
(写真がないですが)
デザートは笹団子、風味があり、
小豆の上品な甘み、そして消費期限です。
「春は美味しい」今月の治作でした。
日本料理 治作 http://www.shizuoka-jisaku.jp/
【いもたつLife】

すべては宇宙の采配 木村秋則」
この手の本を出版するのはなかなか勇気がいることです。
著者の農業功績が広まり、無条件で応援してくれる人たちが、
支えてくれるようになったから出せたのかも知れない、
なんて考えながら読みました。
私自身は、これらの不思議なことは、
信じるし信じないというスタンスです。
神さまと同じで、信じることにより、
自分の戒めになれば良いと思っているし、
妄信しなければ不健康でないと考えています。
著者の自論の
「目に見えていることだけ見ていても、本当のこと、真実はわからないのです」
とても共感というよりも、深くわかりたい言葉です。
有機農業で「ほしいも」を作る者として、
本当に人のためになる「さつま芋」を作るためには、
表向きの無農薬などを考えるよりも、
追求する根本をもっと考えるのが先決で、
唯一の道だと教えられます。
【いもたつLife】
長谷川等伯展

やっぱり行かなければなんにもわかりませんね。
天才はいるものだと痛感。
人間業ではない作品が何点もありました。
「松林図屏風」は日本人であれば誰もが誇らしくなるのではないでしょうか?
そして、日本人でなくてもきっと引き込まれるでしょう。
仏涅槃図もよくぞ成し遂げた作品です。
個人的には、千利休がよかったですね。
あとは虎と猿。
混んでいるのを覚悟で行ったのですが、
本当に覚悟で行った方が良いです。
でも観て本当に良かったです。
【いもたつLife】
フーデックス2010

食を扱う者としては、このイベントははずせません。
普段 浦島太郎しているので、
1、 世の中を知るのと、
2、 仕事にかかわる新ネタ探し、
3、 仕事にかかわる問題解決、
この3点のヒントがあります。
それと毎年のトレンドの変化と、個々の業界の勢いの変化も
感じられます。
半日でへとへとになりますが。
【いもたつLife】
藍美ライブ2010

アルソア化粧品の専門学校の卒業生が、
披露する卒業ライブです。
思えばもう想い出せないくらい過去に、
高校卒業のあの、仲間ともう少しいたい、
けれどそれはただの甘さとわかっていた。
そして、卒業前に築いた学園祭の、
もしかしたら初めて仲間と成した仕事。
それを想わせてくれるライブでした。
純粋な心が生む感動を体験しました。
【いもたつLife】
勝間和代現象を読み解く 日垣隆

モハメド・アリの姿が、読書中想像されてしかたありませんでした。
遠巻きにして急所を刺す!
世間知らずなので、
勝間さんのことをあまり知りませんが、
すごいキャリアとカリスマ性があることがわかります。
それとちょっと人間臭さもあるのでしょう。
日垣さんはフラットにクールに、
時折熱く、大人の感覚を持った人だと思っています。
その日垣さんの茶目っ気を感じる一冊でした。
【いもたつLife】
2010年1月の治作
あけましておめでとうございます。
今年もおいしいもの、本物の味をよろしくお願い致します。
でスタートしました。

「柚子の中のお正月」
新春、謹賀新年を1品目で、料理で挨拶してくれます。
黒豆、酢漬けの大根とイクラ、子持ち昆布、ナマコ、チョロギです。
お腹が益々空いてきます。

「お雑煮」
京のお雑煮です。
またしても、明けましておめでとう。です。
京野菜で春野菜、上品な出汁、
家のお雑煮とはちょっと違います。
でも家のお雑煮の良さも感じさせてくれるお雑煮でした。
熱々だったことも付け加えておきます。

「腐乳ご飯」
蛤と和えた腐乳ともち米は小腹を喜ばせます。
これで終わりなの!と小腹に怒られます。
お替りください!とおもわず叫びました。
(もらいませんでしたが、次がひかえていますから)
山椒がこれほどありがたいと感じるのは、
この料理以外はうなぎでしょう。

「お造り」
酒=菊姫は最初から、正確にはここに来る前から呑んでいるのですが、
お造りがでてくると俄然意識します。
最高のお造りと菊姫=今日は鶴の里=は決定的な相性です。
ちなみに、
赤いか、平貝、ヒラメ、中トロでした。
どれも甲乙つげがたいのですが、敢えて軍配は、
赤いかを制してヒラメの縁側でした。

「春菊と蓮根の和え物、カマスの寿司、つぶ貝、タラの白子」
酒呑みにはなんてったってタラの白子です。
だけど春菊と蓮根はこの倍は食べたい!
カマス寿司を食べると変な寿司屋さんに行けなくなります。
つぶ貝は酒の友ですよね。

「ゴマ豆腐」
これがなきゃ始まらないの治作の顔です。
現二代目も素晴らしいです。
そして、このゴマ豆腐は先代との指標になっています。
治作の原点です。

「焼き物」
甘鯛とムツを注文しました。
甘鯛とは格闘です。頬肉がうまいよ、眼肉がオツだよのノリで、
皮がまたまたこれならではの食感と美味しさです、
ムツの煮付け、これとも格闘できました。
煮物との格闘はまた違う楽しさと美味しさがあります。
満足とともに、程よい疲れもでました。


「えび芋饅頭」
胡椒の香りが蓋を開けた途端主張します。
でもえび芋も主張します。
胡椒は、ここでは使っています。
使い分けの妙を感じます。
いつまでもサクッとした衣が嬉しかった一品です。

「へしこ茶漬け」
醗酵食品の恩恵を受けた気分です。
それを昇華させているのが腕です。
でも基本は微生物の恩恵です。
自分の腕を自慢しない日本料理人の気質が漂う、
私も酔いに漂いながら味わいました。

「花豆のお汁粉」
ポカポカに温まるデザートを頂きました。

「お汁粉」
正々堂々の硬派なお汁粉です。
焼いた餅と小豆の旨さは、
甘いものを求めていた先人と
子供の頃の自分が重なりました。
今日も堪能しました。ご馳走さまでした!
【いもたつLife】
赤めだか 立川談春

落語ファン談志ファンとしては見逃せない本です。
談春の落語は一度しか聴いていませんが、
本文にもあるとおり、リズムとメロディがバックに流れていたこと
がこの本でわかります。また、この本も同じです。
談志の人となりがよく伝わり、
やっぱりという気持ちと、やっぱりだがそこまでとは、
という気持ちが入り乱れます。
底流には、
師匠と弟子たちの、不完全だが生き生きとした若さを感じる
世界があり、うらやましくもなります。
また、談志とて完全じゃない。
もがきながら弟子たちを教育し、立川流をつくっていたことも
わかります。
落語の偉大さをいっそう感じ、
落語ファンとして落語を聞く嬉しさも増加する本でした。
談春の前座時代の情景も目に浮かびっぱなしでした。
きっとここに書ききれないほどのエピソードがあったことでしょう。
【いもたつLife】
横道世之助 吉田修一

世之助という普通の青年のほんの一年を切り取り、
世之助の存在を、かかわった人たちの人生で感じさせます。
偶然にも居合わせたことで何か変わったのか。
親子、今と昔の恋人、片思いの人、友人、隣に住む人。
その一年はバブルの最盛期で語られます。
時折20年後の現在がはさまれます。
その描写が上手いのと、ここに著者の大きな想いのひとつが
込められています。
普通ではダメとされていたあの頃と
普通に価値を感じる現在を
世之助の生き方に重ねています。
爽やかな風が吹き抜けてゆく小説でした。
【いもたつLife】
治作のおせち料理2010

食べて美味しいおせち料理。
菊姫の吟醸酒造りの精神に似ています。
品評会のためではなく、呑んで旨い吟醸酒。
いつもの山廃純米をはじめ純米酒5種類だけでなく、
大好きな吟醸酒の山廃吟醸原酒とも楽しみました。
普段食べられないご馳走から形だけになって来ていた
御節料理が、違った形でご馳走になっているように感じます。
それにしてもやっぱり治作は美味しい!
【いもたつLife】