陽気な幽霊 1945英 デヴィッド・リーン
先妻の幽霊の話というと、落語「三年目」を連想します。
こちらは恥じらいの先妻ですが、
映画は陽気というより「居残り佐平次」のような確信的自分本位な幽霊です。
どちらもそれは生前のままなのですが。
先妻に今の妻、夫が振り回されます。
その様子の台詞回しが軽妙、リズムよく、しかも観客がその言葉足らずで、
ムズムズさせられ、監督の上手さを感じます。
あと、特撮もなかなか見事でした。
【いもたつLife】
先妻の幽霊の話というと、落語「三年目」を連想します。
こちらは恥じらいの先妻ですが、
映画は陽気というより「居残り佐平次」のような確信的自分本位な幽霊です。
どちらもそれは生前のままなのですが。
先妻に今の妻、夫が振り回されます。
その様子の台詞回しが軽妙、リズムよく、しかも観客がその言葉足らずで、
ムズムズさせられ、監督の上手さを感じます。
あと、特撮もなかなか見事でした。
【いもたつLife】
ミュージカルも含めて、今、こういう映画を
つくらないのか、つくれないのか?
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの作品を観ると
それを考えます。
つくらない理由もわかります。
ミュージカルも含めて、こういう映画に風はありません。
だけど、この頃のこれらの映画には、
新鮮ですごいという感覚になる映画が少なくありません。
つくれないのか?
それはないでしょう。ただし、今市場がないとしたならば、
製作側が、本気で役者(できる役者がいないのならば別)を辛抱強く雇い、
役者が、製作側と試行錯誤するのが条件ですが。
でも、こんな良い前例はない。
と思うのは、
現代版のこの二人や
観客を楽しませることが、嬉しいほど伝わるミュージカルを
待望しているからなのでしょう。
【いもたつLife】
女が離れてゆくたびに男は成長します。
男は気がついています。
「二人はうまくゆかないから、うまくゆくために努力する」
「どんな努力でもできる」とまで言います。
人は手に入れることができないから、
ずっと変わることがない、なんてないから
がんばることができる。
大事なものをなくすことで、恋愛を通して
男(人)が成長することが (男の方が進めやすいからかな)、
切なくも強くなりながら描かれています。
背景やセット、風景も映画だからの
良さを感じさせてくれました。
【いもたつLife】
完全な悪役の老中のおかげで、殻を破ることができた主人公。
人生の中で誰がどう自分とかかわるか、お互い影響しているのか
わからない。そんな事実を感じました。
主人公は、純粋がゆえ、自分を貫き通しました。
自己も家も藩も、馬鹿で頑な不器用、と言われようが。
だから、最後は変わったのではなく、
愛情表現を変えただけかもしれません。
ゆったりしたテンポながら、無駄がない流れで、
絵も綺麗だし、冨田勲さんの音楽も情景・心情とマッチしていました。
【いもたつLife】
このシリーズをよく知っているわけではないですが、
かなりの危機感があって“生まれ変わった”印象を受けました。
危機があるということは、それだけ遺産がある裏返しです。
冒険ではありましたが、
ジャームズ・ボンドを変える大手術が、
この映画の他の多くの魅力を引き立て、
支持者を満足させ新しいファンも獲得したのではないでしょうか?
私も掛け値なしに楽しみました。
ジャームズ・ボンドにターミネーター的なテイストがあったことが
何よりの楽しさでしたね。
特に冒頭、どっちを応援したくなるかという、
ちょっとした裏切りを観客に思わせる所、ここで私ははまってしまいました。
【いもたつLife】
タイチャンは、
子供そのものの人だったことがわかります。
演技ができる偉大なる子供だったことでしょう。
表面だけをみると、うざったくて、付き合い切れない。
でも純粋だから、目を離せない。逆に、身近であればあるほど、
生きる勇気とか意味とか生きがいをもらっていたのでしょう。
希少な人であり、貴重な役者さんだったことがわかります。
劇中、乙羽信子さんのコメントと、懐かしい映像が観れます。
私のような(古い)映画好きには、嬉しい映画でした。
【いもたつLife】
食べなければ生きられないように、
人は、人が生きてゆく中でできたシステムの中でしか
生きられないのでしょう。
この映画の不倫(と言うのかを考えてしまいますが)は、
不完全が前提でできた人々のシステムからはみだしたものでした。
実際に、食べられなくなることで最後を迎えるのですが、
それは、子孫を残す生物たちの生涯のような成就だったように
映りました。
二人で生きたことに、幸せを心から、これが魂の幸せと感じ、
生きてきた社会に不満を持つわけでもなく、
誰のせいにも何のせいにも、そんなことは二人にはまったく眼中に無く、
時が流れ最後になりました。
絵画のような映像の美しさに、
かぶせるよな音楽は、この映画を語っています。
こんな表現にもっともっと目が釘付けにされたいと思う、
感受性の無さにちょっと嫌な自分がいました。
【いもたつLife】
大不況と言われる最近と同じような背景、
夫婦が失業してどうするか。という話なのですが、
不況・失業はその人の今までの、これからを、
わかりやすく表現する手段だったようです。
社会と離れては生きられないので
人は、社会が変わってしまうとその価値も変わってしまいがちです。
経済的にも、社会の中の地位も。
今まで生きてきたのは何だったのかを考えてしまいます。
何もなかった時の方は怖いものがなく、
身に付けると手放せなくなります。
築いたものに執着しないのは強さです。
いつも築けるという気概も強さです。
果たして今の自分は・・・?
余談です。夫婦の犬が登場するのですが、
親しい ほしいも 農家の犬にそっくりでした。
姿格好もそうなのですが、態度まで。
かわいい限りでした。
【いもたつLife】
強欲爺さんが、クリスマス・イヴの一晩の夢で、
見事に善人に変わってしまいます。
出来すぎですが、結果オーライで、
クリスマスに親子で観てほのぼのする定番映画という感じです。
ほんのちょっぴりの幸せが豊かに描かれているところが
とても良かったです。
セットも19世紀のイギリスらしさで
丁寧に造られていたようにも感じました。
【いもたつLife】
前半のドタバタはおもしろく、
しかし、転換点前ではあきがきます。これはワザと観客に、
「このままではつまらない映画」であることを示唆させている位
タイミングよく次へ、本当のテーマへと舵を切ります。
転換点からもなかなか真のテーマは伝えてきませんが、
それがラストの、腑に落ちる、
「これもそうか」となるテーマになります。
現代社会の大きな病を考えさせられます。
随所のエピソードが本線に絡まれてゆく
王道もあり、語りすぎないラストは
大人として扱われた映画でした。
【いもたつLife】