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ブログ 今日のいもたつ

いもたつLife

空気人形 2009日 是枝裕和

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2001年宇宙の旅を想わせるラストです。

都会の孤独、空虚、生きる意味などを感じたのは
もちろんですが、それらよりもっと深い深い意図を感じます。

誰も代用品ではない、代用品にはなりたくない。

人は経済を大きくしていって、生存の危機という
最も大きい恐怖から逃れ、日本では何不自由なく生きることが
出来るようになった。
しかし、個々の価値を落とし代用品をたくさん
生みだしたのでhないでしょうか?

主演のペ・ドゥナの演技、表情、仕草が素晴らしく
しかも美しいのが印象的でした。

心を持つこと、生きることの恐ろしさ、
仏教に通じものがありました。
そして、老いてゆく素晴らしさも表現されていました。

映像ひとつひとつに何が語られているのか?
それを観られずにはいられない映画でした。

【いもたつLife】

日時:2009年12月14日 07:11

映画の仲間たちとの忘年会

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観た映画の本数は1000本ではきかない人たち
との忘年会です。
8000本というつわものもいます。

私はといううと桁違いの本数しか観ていない、
ペーペーですから、
諸先輩の映画観にうなづくばかりでした。

映画=それにまつわること全ては、
世界の共通言語です。
話は終わりがないくらいに盛り上がりました。

【いもたつLife】

日時:2009年12月12日 09:52

おしん 1984日 山本暎一

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大人気のNHK連続ドラマのアニメ映画でした。
有名で人気があったこと、だいたいどんな話かは、
知っていましたが、
ただの苦労話ではないから人気があったことが伺えました。

おしんの奉公先のお嬢様が、
おしんの家が、食えないほどの貧乏が何故なのか不思議でなりません。
「米を作っているのになぜ米が食べられないのか」
稲作が始まって、支配が始まってから今でも連綿と続く、テーマです。

おしんと脱走兵とのふれあいも、
反戦から一歩踏み込んだ考えを感じます。

村社会や商業界が垣間見ることができたり、
環境問題をも考えさせられます。

もちろん、おしんの成長とその苦労がハイライトなのですが、
それだけではない多くのメッセージを受け取れる語でした。

【いもたつLife】

日時:2009年12月11日 08:05

おくりびと

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うわさどおり良い映画でした。
特に前半は。

仏様という響きは、こどもの時もっと耳にしていました。
大人になって耳に付かなくなったわけではないような気がします。

宗教にふれることが少ない日本で、
死生観から遠ざかって暮らしていたように思います。

納棺士という職業がクローズアップされたそうです。
そのこと自体は、「すぐまたこうだ」という感覚がありますが、
それに付随して、仏様の響きが身近になることは、
とても良いことのように感じます。

【いもたつLife】

日時:2009年12月10日 08:10

女だけの都 1935仏 ジャック・フェデー

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中世をコメディーで描いています。
上手く描かれている中世と、
中世の人々が現代の感覚に近いところの対比が面白い映画です。

今よりもっと女の立場が弱く、また、考え方も封建的な時代背景に、
現代の価値観(と言っても1935年の作品ですが)
で登場人物がでてくるギャップが良いです。

男女同権でなく、権力者の力が強く、自由が束縛されていた時代でも、
母娘の関係の普遍、男気をみせる者が登場したり、やっぱり臆病な多くの奴らがいること。
人間的な優しさを感じさせるコメディーでした。

【いもたつLife】

日時:2009年12月08日 07:24

そして誰もいなくなった 1945米 ルネ・クレール

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ほとんど記憶がないくらい前に原作を読んでいたので、
新鮮に鑑賞できました。
だけど、ラストは違っていたような。

もっと空虚で、本当に誰もいなくなっていたはず。

それはおいておいて、
世界観は味わえました。
特に、個になることを序々に恐れるのは、
原作を覚えていないので、それとはべつに、
うまく現されていたと思います。

この映画が良い悪いではなく、
原作を読み返したくなります。
単なるミステリー、サスペンスでなく、
筋が通った心理劇であることが、
原作を読み返してわかる予感がプンプンです。
ルネ・クレールがつくっても、
原作のプロモーションになるのかもしれません。

【いもたつLife】

日時:2009年12月07日 10:47

郵便配達は二度ベルを鳴らす 1946米 テイ・ガーネット

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性善説だと信じているから、
性悪説の顔が出ないようにする。
とても大事だと自らに言い聞かせています。

旦那を殺害した不倫の二人は、その両方の顔をみせます。
悪だけの人間だけでは、生きられないからです。

殺人者を弁護するわけではないし、
世におこるひどい事件に憤りを感じるし、
それに対して甘い刑の判決だと思うこともあります。

映画の中では、殺人を含めたひどい行為や考え感情を、
人間の観点から見れます。

二人は、犯罪によって死に急いだようです。
だから、性悪説の顔が出ないようにするってとても大事です。
それは何も殺人という、強調された行動だけでなく、
日常の生きたい道にゆく道しるべをつくるために。

【いもたつLife】

日時:2009年12月04日 07:37

ハンコック 2008米 ピーター・バーグ

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見方を変えて面白くなる映画は結構ありますが、
この映画はその典型、ただし、自分にとってだけかもしれませんが。

表面的なドタバタは好きにはなれませんが、
ハンコックがなぜドタバタをやるのか、
人が持ってはいけない能力、あこがれる力を持つとどうなるか。

周辺の人たちの心理も交えて、画面を見ながら、
キャストたちの無意識を探りました。
探るというより「なるほどなぁ~」という気楽な鑑賞でしたが。
でも面白い映画でした。

【いもたつLife】

日時:2009年12月03日 07:17

十二人の怒れる男 1957米 シドニー・ルメット

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なんて偉大な国なんでしょうか、あの頃のアメリカは。
12人の陪審員たちは、人間らしく落ち度も一杯ありますが、
誇りを感じています。それは時に怠惰や偏見を伴っていますが、
“それもあり”で人を裁くことの権利と義務を負っています。

自分の主張は生きてきたそのものが込められます。
もろにその人なりがでます。
人を裁くのは自分も裁かれる環境におくことなのかもしれません。

正義だけではなく命の尊さをも、密室の12人の主張だけで表現している
素晴らしい作品でした。

【いもたつLife】

日時:2009年11月29日 12:02

愛のアルバム 1941米 ジョージ・スティーヴンス

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終わりが来ることを見ようとしないで過すのは
人の性でしょうか。

後になってわかるけど、改めることはもうできません。
そんな日々は私の日常でもあります。
普段は何も起こらないから、終わりを考えません。

映画は希望を見せますが、
そんなことは案外少ないものです。

夫婦仲なんて良ければ良いほど最後はつらいのかもしれません。
でもこの考えは変です。
仲が良いほど最後まで笑っていられるのですから。

ストーリーの転回点で関東大震災(たぶん)が挿入されています。
そのころの日本の暮らしも少しですが描かれています。
この映画の製作時期は日米はかなりの緊張関係だったはずです。
日本の姿を当時映すことができるのは、
アメリカらしくもあり、当時のアメリカの余裕も感じるひとコマでした。

【いもたつLife】

日時:2009年11月28日 07:05