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いもたつLife

歌麿をめぐる五人の女 1946日 溝口健二

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戦後の日本は国をあげての努力で、素晴らしい国に復興しました。
こと経済に関しては、全員が必ず生きてゆけることを実現した国です。

ここまで底辺が上がって誰もが、食べることにも困らない、
文化も求めれば誰でも手に入れられるという楽園のように発展しました。

ただし、文化の最高(といったら語弊があるかも)をになう人と、
それを解る人達が居るところがなくなったと感じます。

この映画や同じ溝口監督の「元禄忠臣蔵」を観ると、
日本人であることを確認します。
よくもわるくも描かれているので、直それを感じるのでしょう。

そして真骨頂は、再現です。
魂がこもっているかの映像は、心に響くのです。
それは、セットの忠実さもさることながら、演者も本物追求、
時代考証も出来うる限りだからでしょう。

底流には、人の性があります。これも当然ひきつけられます。
だけどいつも溝口映画で最も引かれるのは、
溝口監督がどうやって製作したかの意気です。

多くの知識で溝口映画は名作だという前提があるから
それを感じるのかもしれませんが、
そうではない、「さあどうだい」という声を感じるのです。

今なるべく多くの映画を観ようとしていますが、それは、
隠居して余生をすごす段階で、もう一度観ておきたい映画を選ぶためのような気が、
こういう映画を鑑賞すると感じます。

【いもたつLife】

日時:2009年08月05日 06:41

剣岳 2009日 木村大作

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時間と労力をかけることが、便利になればなるほど、
価値を高めます。

この映画の時代には当たり前な条件が、
今はあっという間に石油を使って手に入ります。

だからこの映画の一側面は、
同じ条件下にいた者達がお互いを尊敬しあうことです。
それを軍を置いて比較する事で、効果を高めていました。

「記録より記憶」ということもよく言われます、
人が持つ素晴らしさの基準てとても良く出来ています。

隣の人と一緒に喜ぶ事をすることを、
今の世は、何か難しくしているのではないかと感じました。

【いもたつLife】

日時:2009年08月04日 07:05

09年夏の治作

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 夏野菜と蛸の酢の物
夏野菜と蛸の酢の物蛸が野菜の味を引き立てます。
タツマでも夏野菜を作っていますが、こういう味を想像して
野菜作りをすればもっと野菜を丁寧に育てるでしょう。

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 お造り
ヒラメ、マグロ、アワビです。
一番好きな貝がアワビです。火を通したものも
“おいしい!”のですが、料理されたアワビの造りは、
それを凌駕します。(細工がにくいのです)
脇を固める存在ではないヒラメとマグロももちろん絶品。
だけど今日はアワビでチビチビえんえんと菊姫BY大吟醸と
10BY本仕込純米を呑みました。

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 お椀
正斎(しょうさい)フグと白髪ねぎのお椀です。
このお椀がこのタイミングで出てくることも納得。
汁を一度すすると口がお椀から離れません。
お椀にはいつも感動ですが、“夏のお椀”を今日は出してくれて感動。
です。正斎フグはお椀になるために生まれてきたようです。
そして白髪ねぎが憎い演出です。

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 色々
岩ガキが一見メインですが、その通りでその通りではないのです。
そこが治作のすごいところ。
岩ガキは絶品だからコメントはここまで。
先ず第一に取り上げるのはナスの和え物、
治作が誇るごま豆腐で和えてあります。
カマスの寿司も、ここででたか!です。
ウニの黄身蒸し“今だけ料理”ウニの概念を変えます。
ということで長くなるからここまで。
(楽しみました)

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 焼き物
ここまでで紹介していない料理が二つあります。
①からすみご飯、②ごま豆腐、だけど次に進みます。
今日の焼き物は(も)大好物です。いつも頭を出してくれます。
ちょっとずつ崩していって骨をしゃぶるのが幸せです。
今日は井川のとうもろこしの焼き物が添えられました。
夏満喫です!

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 かもナス

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 そうめん

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 デザート

【いもたつLife】

日時:2009年08月03日 07:10

黒いオルフェ 1959仏/ブラジル マルセル・マミュ

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一夜に集約されるのが祭りです。
本作のリオのカーニバルは、
その圧倒的な力強さや熱狂や華やかさで知られます。
そして、この映画にもその様子が納められています。

祭りは世界共通です。
ねぶた等の東北の夏祭りは、リオと同じような爆発的な祭りです。
それ以外にも、各地で各地の人々にしかわからない?
子供の頃から染み付いた祭りに対しての独特の魂が篭っているのが祭りです。

そこでは精神が継承されます。
この物語もオルフェの精神が次世代へ継がれるシーンで終わります。

それをバックボーンにギリシャ神話が展開されていました。
オルフェの神話は知りませんが、
象徴となる出来事は、オルフェの神話を現していることを感じることができます。

映画ももちろんベースの神話も、
どちらも、後に残すことを主眼に語られているようです。
それは、個人がやり尽くしたことを残したい気持ちも当然あるのですが、
伝わることは何かを考えるのが現実です。

だから、いつもの振る舞いが正直に伝わるのです。
神話だって同じことを伝えているのではないでしょうか。

【いもたつLife】

日時:2009年08月02日 14:51

道 1954伊 フェデリコ・フェリーニ

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身勝手な男と尽くす女、どこにでもある展開ですが、
奥が深い話です。

男は最後、自分の責任で女が死んだことを知ります。
その前に一人の男を危めています。
自分が何をしたかなんてわかっています。塞いでいるだけです。

だけど女に対しては、幸せになっているという淡い期待があったのでしょう。

生きていると人間“楽にしてくれ!”
といって逃げ出してしますことがあります。
でもこの男の場合も、その先には自分を崩す現実だけでした。

男は強がりでした。この姿はとても切なく、思い当たる節があります。
強い愛があったこともわかります。
だけどすべて過去です。

フェリーニ監督は、男が落ちた所で終わりを告げます。
これからも生きなければならない男がどうなるかが誰にもわからないで、
終わりです。
でも男の心には何かが宿ります。
映画の中の男のこれからなんてどうでも良い。
このラストを観て、私は力を与えられました。

【いもたつLife】

日時:2009年08月01日 06:39

ロイドの用心無用 1923米 サム・テイラー

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チゃップリン、キートンと並ぶ三大喜劇王ですが、
三者共通なのは、笑いだけではないことです。
奥が深く、喜劇を高尚な作品として後世に残しました。
アプローチは三者三様ですが。

ロイドは、喜劇としてとても純粋です。
しかし、そこにはどこまでも観客を尊重して造った術がこもっています。
掛け値なしで、傑作だと思います。

もし、私が笑いを売る身になって考えた時、
「ロイドのようだ」とお世辞でも良いから評価されたとします。
そうしたら、きっと自分はまだまだだと感じてしまう。
そんな存在なのではないかと感じました。

それほどの武者震いするほどの想いが伝わってきました。

【いもたつLife】

日時:2009年07月31日 06:56

アンダルシアの犬 1928仏 ルイス・ブニュエル

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映像と音楽が本当はミスマッチなのに、そうではありません。
映像はあくまでも、普通ではありません。
また、普通に対して、何かを考えます。

でもやっぱり、表面的にしか意味はないのでしょう。
普通なんて意味はないのです。

人のように社会を形成している動物、本能だけで行動しない動物は、
人以外では、どこまでの知能を持っている動物でしょうか。
チンパンジーやオラウータンは、社会性がある・・・と考えていって、
身近に考えると、すごく大雑把ですが、犬がそれで猫が違うような気がします。
(犬という題名を忘れていました、そういう意味があるとは思いませんが)

猫が行動する元になる本能が、この映画の表現の元なのと感じます。
全く稚拙な表現ですが、これがしっくりする言葉です。

驚くことは、1928年にこういう表現をして、
世間がどう評価したかはわかりませんが、これが望まれる土壌があったことです。

映画の持つ新しい力を表現しています。
現代でもきっと、今までにない可能性が映画にはまだまだあるはずです。

【いもたつLife】

日時:2009年07月30日 07:31

類人猿ターザン 1932米 W・S・ヴァン・ダイク二世

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象をはじめとして、ライオン、チーター、かば、牛、シマウマ、
原住民とアフリカが舞台だけあって賑やかでした。

象牙で儲けようという設定は、隔世を感じますが、
それが他のものに置き換わっているだけですから、
本質的な違和感はありません。

ターザンがジェーン(主演の女優)をみそめるのは、解るのですが、
ジェーンは文明を捨てて何故ターザンのもとにいることを選んだのでしょうか?

ターザンのような生き方は、誰もが少なからず持っている憧れでしょうか?
意識化にあるかどうかと、その強弱は個人差が結構あるけれど、
本能が求めていることなのかと思いました。

ターザンを知らない人はいないでしょう。
だけど私は本当に久しぶりにみました。
この映画はかなり古いですが、私の中のターザンと同じでした。
水戸黄門のようです。

【いもたつLife】

日時:2009年07月29日 07:54

イレイザーヘッド 1979米 デヴィッド・リンチ

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頭で考えると難解といえるのですが、
実は難解ではないかもしれません。
何?というより、そうなんだ。
と感じる心の声を聞きたいと思いました。

だからと言って、この映画を「~~だ」と表現するかは難しいです。
その必要は無意味(ではないとも感じます)かも。

私の印象は、赤ん坊が可愛かったです。
それを感じたことで、この映画を観て良かったとも思っています。

この映画は人によってとんでもなく解釈は違うでしょう。
普通の人という存在なんてありえないと、つくづく思いました。
それが普通なんですね。

【いもたつLife】

日時:2009年07月28日 12:57

崖 1955伊 フェデリコ・フェリーニ

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紆余曲折があって、詐欺師が良心を取り戻すのですが・・・。

年老いたこと
(そういっても48歳ですから、現代では充分に若いのですが)に苦悩し、
離れている娘が大人になるのと、騙した家の娘が娘と重なり、
それが転機となりラストに続きます。

転機というのは、あくまできっかけです。
年を重ねて詐欺師の自分をどう考えていたのでしょうか。

泥棒の言い分かもしれませんが、
詐欺にも色々あります。
あくまで悪いのは騙す方ですが、相手の欲がギラギラしている場面もあり、
騙される方の卑しさがにじみ出ている時もあります。

それとは無縁の聖女のような娘に合った時が転機でした。

年をとることの恐さは、肉体的に老いてゆくことはもちろんですが、
年にみあった精神の成長がないことの方が恐いと、
大人になりきれていない、
この詐欺師とほぼ同じ、いい年の自分が重なりました。

【いもたつLife】

日時:2009年07月27日 07:20