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いもたつLife

重力ピエロ(試写会)2009日 森淳一

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誰も何かの多くの重力に引き込まれながら生きています。
二人の兄弟は、とても強い重力がかかっている日々をずっと生きていました。

弟は天才です。全てにおいて兄(凡人)を超えています。
しかし、兄の承認がなければ生きられません。
皮肉です、何でもできる弟はひとりでは生きられないのです。

こんなドラマは普通ではないけれど、
身近な人の承認があるから生きていけるのは、
繰り返しの私たちの日常も同じです。
そんな身近な人を大切にしようと思わせてくれる映画です。

【いもたつLife】

日時:2009年05月13日 06:58

バンテージ・ポイント 2008米 ビート・トラヴィス

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23分間(だと思います)の出来事を8回繰り返して
真相を明らかにしてゆく構成です。
アメリカ大統領がサミット中に暗殺される大注目の23分間です。

序々に明らかにされる真相は、古典的な手法ですから普遍です。
大規模なカーチェイスが入っていたり、
ふとしたことで関わりがあった母娘と旅行者がキーを握っていたり、
その旅行者が短い時間ながら、過去を乗り越えるエピソードがあったりと
23分間に広がりをみせています。

ひとつのストーリーをじっくりと掘り下げてゆくのとは違う手法ですが、
引き込まれて鑑賞できました。

同じ時間を共有しているときに進む物語は、
確かに個の視点です。
普段気にしませんが、それも真実です。
そんな視点やそのずれが、人と人との間には“日常にある”ことを
納得させてもらえる映画でした。

【いもたつLife】

日時:2009年05月12日 07:18

配達されない三通の手紙 1979日 野村芳太郎

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狭い世界に生きていて、近い仲ほど愛も憎さもあって、
やりきれなくなるのですが、「殺人」という一線はどんなことがあっても
越えられません。

この事件も、殺意は持ってはいたかもしれませんが、偶然におきた事件でありたい。
ただ、偶然とは、殺人をして良い位に高まった殺意(この時点で一線を越えているかも)
があったということでもあるかも。

登場人物の、些細な描写=苦悩・クエスチョン・決意が
きめ細かく表現できています。

もちろん原作も脚本もサスペンスとして楽しめます。
特に、最後に登場の竹下景子の設定の妙が特筆です。

舞台が萩というのも良いですね。
名門の雰囲気を後押しするし、松坂慶子のキャラクターも引き立てます。

ラスト近くで、長女が父親を責める言葉があります。
これは、日本的な感覚から脚本に入れられたのか、
原作からの引用かはわかりませんが、
とても意味が深い言葉です。
上流階級だからの悲劇を指しててる、庶民になった長女の発言です。

「わからないでしょ」と言い放つのですが、
階級は一見するほど不平等ではありません。
だから、どちらもわからないのです。
日本人が感じえない部分ですが、戦後捨ててしまった大事なことを考えさせる、
1シーンでした。

【いもたつLife】

日時:2009年05月11日 06:47

スポイラーズ 1942 米 レイ・エンライト

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ジョン・ウェインの映画は痛快です。
この作品は西部ではなくアラスカが舞台ですが、それは変わりません。

ストーリーも西部とは違うゴールドラッシュの特殊事情です。
でも精神は変わりません。
そしてジョン・ウェインのかっこよさも。

この映画では、個人の権利と司法の役割が一つの進行となっています。
元々裁くことが必要なのかを考えてしまうストーリーです。
アメリカの当時の三権がどうだったかはわかりませんが、
ここでも「裁きはもっとシンプルなのでは」と感じます。

しかし社会が多様化してゆくのも避けられない事実です。
映画の意図とは違うかもしれませんが、
少なくともあまりにも、
司法を理解することに胡坐をかいていたことを振り返る映画でした。

(私が観てきた映画で)
今までと同じ魅力のディートリィッヒが居て、
今までと違う魅力のディートリィッヒを観れる映画でもありました。

【いもたつLife】

日時:2009年05月10日 06:51

水曜の朝、午前3時

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世代を超えた二人の男が関心を持った直美の魅力とは。

最も愛した臼井と、子供の頃から憧れていた僕が直美との係わりから、
戦後・高度成長の日本の世相と人々の心も描かれます。
それらは物語のキーとなったり、幅を持たせていますが、
著者のメッセージはもっと個に焦点を当てています。

精一杯生きた自分を振り返りながら、でも後悔の念の大きさ。
けっしてやり直せないけど、やり直させたらと思う自然の気持ちを認めて、
“じゃあどう生きようかしら”
読後これはどういう物語かと考えていると、そんな直美の声が聞こえて来そうです。

直美自身の告白のメインの舞台になるエキスポ70は、
それを少年ながらに経験した私に当時の雰囲気の新たな真実を加えてくれました。
単なるラブストーリーで終わらない昭和の生き様が感じられる作品でした。

【いもたつLife】

日時:2009年05月09日 07:16

5月の治作

なめろう
二品目にでました。
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大葉の香り、ネギの風味、味噌のコク、そしてなにより新鮮なアジ。
「賞味期限5分」と言われても美味しくてチビチビ酒を呑んでいると、
タイムオーバーです。

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稚鮎の飯蒸し
初夏の味、贅沢です。

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お造り
とり貝の活け造り、アワビ好きなのですが、こっちが上と言える位。
アイナメの焼き霜造り、春の名残りを感じます。身の甘さと皮が絶品。
主役を張るはずの中トロと大トロがかすみそうです。
(この二品も当然とろける美味しさです)
付け合せの茗荷も大好物です。岩海苔がまたOK、そして立派なワサビとすりが良い。

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お椀
穴子、蕗、筍の椀です。
澄んだ澄まし汁は深さの極みで宝石のような美しさです。
ここに掲載するのは3品位と思っていたのですが、掲載しない料理を選べません。

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もう酒がいくらあってもの世界です。

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太刀の焼き物
これから旬を迎える太刀魚が終盤で出てくるのは、
春から初夏、夏を迎える今日の料理を現しています。
太刀魚は、焼きでよし、煮てよし、生でよし、何でも来いですが、
今回は料理の流れで太刀の焼きになったと思います。
食べているとそれがわかるんですよね。

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炊き合わせ
熱々で出てくるから嬉しいです。
石川小芋、レンコンもち、鯛、スナックエンドウ
家でも出来る料理を家では出来ない料理にしています。

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そうめん
冷たいものは全部冷たくしてあります。
これは賞味期限3分です。
すばやく酔っ払いながら平らげました。

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デザート
もでましたが、酔っ払っていました。

【いもたつLife】

日時:2009年05月04日 12:56

今年の茶摘

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毎年恒例の茶摘です。今年も天気に恵まれました。
一年に一度のにわかお茶農家だから、楽しんでお茶摘ができます。

この時期にはめずらしいトンボがいました。
このお茶畑は、自家消費用で栽培しているだけです。
商売ではないので、みてくれを気にしませんから、
農薬を使わないせいもあるかも。
蜘蛛の巣もそこらじゅうにある茶畑です。

鳥の声を聞いて、
トンボやてんとう虫や蜘蛛、(綺麗な)ハエを身近に、
半日の作業が終了です。
来年もやろうという気になるところで作業を終了するのが、
長続きのコツです。

【いもたつLife】

日時:2009年05月03日 12:51

グラン・トリノ

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老いてゆくことに恐れを抱いている中で、
クリント・イーストウッドは、ひとつの答え、勇気を与えてくれています。
この感覚は人生の後半を迎える者しかわからないかもしれませんが。

ストーリーは多くの示唆が含まれていました。
彼は、死で精算をしたのでしょうか?
死に場を探し当てたのでしょうか?
最期は安らかであったし、
残された者が死の意図を踏んでくれることが前提の行為でしょう。

それは、人種差別を超えて分かり合えた者同士にしかわからない感覚でしょう。
悲しいけれど誰もがなかなか得られないものだったはずです。
だから、勲章とグラン・トリノを引き継がせたし、受け取れました。

クリント・イーストウッドとその友人の掛け合いは最高でした。
べらんめぇ~の粋な江戸の世界を想わせます。
このやりとりで戦争でどうしようもなく生きられない彼が、
生きられたことがわかります。
これは今から自分の小さな世界でも、作れますが作れません、
とは言わせないメッセージでした。

【いもたつLife】

日時:2009年05月02日 06:55

博士の愛した数式

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素晴らしい絵画や彫刻、美しい調度品と同じように
数字や数式を実用とは別に芸術と感じることが出来るのは、
人の感性の豊かさです。

それを小説として完成させて、感動の物語にしてしまうところが、
著者の凄さです。
単なるひらめきだけではなく、登場人物の設定、物語の背景や小説内で現す出来事まで、
とても深く考えぬいた末の作品です。

どんな本も著者が考えぬいているのかもしれませんが、
博士の病気の症状から、私に与えた職業、義姉の存在、江夏の背番号28の完全数。
他にもたくさんの細かい設定は、緻密な積み上げでできています。

そして、主役達の表現は間接的に温かさとして伝わります
小津安二郎作品と似た感じを読書中感じました。

【いもたつLife】

日時:2009年04月30日 07:32

豚と軍艦

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アメリカが来る前の横須賀の人はほんの一部を除いて
いません。
だから、ヤクザも堅気も娼婦も商人も(役人も)アメリカ相手だから皆同じにみえます。

そんな流された生き方に染まるか、あたりまえに自分で自分を洗脳してしまうか、
大した後ろめたさじゃないから良いとするか、
積極的に参加して生きるか、
小さなサークルで・・・タイトルからとれば豚のように飼いならされています。
みんな。

そんなサークルの中の生き方を、
ちょっとだけ疑問に感じ、ひょんなことから嫌になったのが春子と欣太です。
他にもたくさん同じように感じた人はいたでしょうが、
“これは違う”を強く思いました。
そうすると途端にサークルの中で、生きにくくなります。

自立はいつも気にしたいことです。
この作品ではアメリカからの自立が描かれます。
それは今観るから、自立した方が良いことはすぐにわかります。
現在の方が自立しているかが、わかりづらくなっているように思います。
この頃はアメリカから自立すれば良かったので、もしかしたら、
現在の方が自立できない根が深いのではないでしょうか。

なんてったって自覚がないように世の流れが出来てしまっているからです。

【いもたつLife】

日時:2009年04月29日 06:58