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ブログ 今日のいもたつ

いもたつLife

審判

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あまりにもリアルな夢をみて、はっとしたことがありませんか?
でも覚えているうちに回想すると、ところどころ、
ありえないことが展開されていたりします。

考えてみると自分の深層心理が映像化されたような気がします。

それを2時間に渡って目の当たりにしているようでした。
常に幻想的、幻覚的なのですが、
その根源が深層にあって、それが表現されている感じです。

夢の世界は時間と空間を飛び越えます。
そしてひとつの出来事が強調されます。
繰り返しになりますが、それは、
抑えている欲望や忘れたい過去、報われたい想いだったりします。

映画の展開とは無関係で、この作品を通じて自分をちょっと上から眺めると。
妙におとなしくなってきている自分に、渇!を入れたい気分になりました。

【いもたつLife】

日時:2009年04月18日 07:03

汚れなき悪戯

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神に召されることで伝説にまでなるマルセリーノ。
これはキリスト教と深いつながりがなければ、真髄はわからない、
少なくとも私は表面的にしかわかりませんでした。

ただ母の存在をかみ締める時間でした。
12名の自分を愛してくれる父親がいても、
ひとりの母親にはかなわないことは、
キリスト教徒でなくても心を締め付けます。

マルセリーノは幸せだったか、彼を送り出した僧侶たちは自分達を責めてしまったのか、
そしてお祭りにしてそれをいつまでも祝う心は・・・。
これらのことは死生観に結びつきます。
日常生活とつなげて、そういうことをあまりにも考えないでいる生き方をして来た
自分(日本といっても良いかも)に気づきます。

【いもたつLife】

日時:2009年04月17日 07:18

青空娘

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シンデレラストーリーですが、増村監督の意図が入っています。
単純なシンデレラではありません。
そこが面白いし、他にも良い描写がたくさんあります。

当時の風俗が健康的に表現されています。
都会と田舎、
男と女の節度、
経済的な階級、
でも底流には、人が求める精神をやんわりと表しているようでした。

とても気に入ったシーンは、
有子が実の母と初めて出会う(再開する)シーン。
涙涙になっていないんですね。(へそ曲がりな私は)これが自然だろ。
と拍手です。

有子の先生は、
この物語では隠れた主役です。
今もしかして、うまく行っていることがあったとしたら、
こういう先生と同じ役割をしてくれている人がきっといます。
自分が気がつかないだけで。
私としては、この先生の献身といえる振る舞いがこの映画の味噌と思いました。
これをわかっていることは重要です。

継母もシンデレラとは少し違いました。
ラスト前シーンは、「和解」です。
ここですべて、自分を解放します。
人はつまらないプライドや過去を否定しないためにこれができません。
有子がきっかけを作りました。
今までの夫や有子に対する反抗エネルギーは、
作用反作用ですから、きっととても幸せをものにするでしょう。

この映画の話は単純です。
しかし、たくさんの示唆をちりばめた、
監督が観客に
「さぁ感じて」と言っているような映画でした。

【いもたつLife】

日時:2009年04月16日 06:14

キサラギ

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スピーディな流れと、意外な展開、無駄がないシーンは
よく考えられて、楽しませてくれました。
台詞も設定もアイドルを現す感じで進み、
意外性以外は意外なことがないように造られていたました。

古典的な手法に、ネット社会の匿名性を絡めた、
楽しめる娯楽サスペンスです。

アイドルをどこまで登場させるかにも興味がありましたが、
これも考え抜いて、シュミレーションの結果の選択でしょう。
このあたりを中心に脚本されたようにも思いました。

【いもたつLife】

日時:2009年04月15日 07:55

神楽坂

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神楽坂を散策しました。
東京はたくさんの顔を持つ街です。

都会として、最新の動きが生まれます。
文化として、古今東西のものが集まります。
歴史を感じるスポットも随所にあります。
それも、江戸初期から近代を抜けて、今に至るまで。

きっとたかだか数キロの中にそれらが密集しています。
隣の駅で違う顔をみせてくれます。
今回の神楽坂、ついでがあってきましたが、ここも東京の香りを感じます。

バグパイプの生演奏を鑑賞つきの一日でした。

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【いもたつLife】

日時:2009年04月12日 12:05

ゼロの焦点

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人が生きてゆくのは時間の経過を伴いますから、
引き返すことも、やり直すこともできません。
本能は生きることを最重要視しますから、
後悔はしても行動は必然だったのです。

そんな設定は、誰にでもあてはまります。

それが影として背負われて犯罪が行われます。
未亡人の新妻は、それを係わりあった運命として、日向の元で追求しました。

戦後の時代背景を引きずる原点と、都会と地方をめぐる物語の進み方は、
松本清張らしく、引き込まれます。
原作がそんな戦後日本の負の精神を表現し、
小説として発表後まもなくできたこの映画は、
それを映像でとどめていることで貴重さがあります。
当時の情勢は、戦後の復興の一過程で、それを映像の力が細部までとどめました。

日本映画が盛んなころ、多くの作品ができたことで、
後世へのたくさんの議論の種が残せていることをこの映画でも感じました。

【いもたつLife】

日時:2009年04月11日 06:34

手錠のままの脱獄

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日本にいると人種差別という言葉は、
頭でっかちにしかわかっていないと感じる映画があります。
この映画もそのひとつです。そして、テーマのひとつです。

少年の些細な行動に象徴されるように、
台詞や役者の仕草で現される当時の差別の実像は、
アメリカ社会の差別の根深さをとうとうと訴えます。
潜在意識ででる差別の態度は、映画だから気にとめるくらいの
日常の態度でしかありませんから、とても大きな壁があることがわかります。

これらは追われる二人の場面ですが、
追う場面でも違うアメリカが描かれています。
個人優先=自分のやりたいこと優先、でも自己責任、
背景は強く豊かなアメリカです。

もう一点のテーマは差別を乗り越えた友情です。
こちらは筋書き通りです。が、わりとクールに自然に描かれていました。
あまり熱くはならない、日本的な感情のように思えました。
観ていて個人的にしっくりとする流れでした。

黒人の主人公のカレンの歌が物語りの節目でうるさく流れます。
最初、途中、ラスト。
なぜかラストは心地よ響きます。
心が豊かになると(境遇は最悪になっても)
こうも違いが出るのでしょう。

【いもたつLife】

日時:2009年04月10日 06:49

熱いトタン屋根の猫

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「熱いトタン屋根の猫」という題名ですが、
映画化されると、この題名の意味がよ~くわかります。
(原作は読んでいませんが)
題名ピッタリに映画化されたのかもしれませんが。

原作者がこの物語を作るにあたって、
「登場人物が世に現れたらこういう行動だろう」と想像しながら
書いていったのでしょう。
驚くほどの想像力を感じました。
目の前で起きていることを作品に仕上げたという感じです。

ストーリーは大富豪一家の一日です。

あまりに強烈な生き方の代償は、
極端な家族関係になってしまいました。
一人の帝王は、欠けている心の連鎖を家族に植え付けました。

家族は皆心が痛んでいます。その苦しみから逃れるために、
偽りの生活をしたり、心を空にする生き方をしています。

帝王が愛した、帝王に愛されたい息子の心を修復することは容易ではなく、
長い時間をかけた自分への責めと妻への攻撃でも癒えることはありませんでした。

解決のためには、その原因まで遡るしかありません。
そこにたどり着くためには、帝王の死が条件でした。

映画ですから極端に描かれています。
そして、恐ろしくも感じます。
大富豪の家族だから、こういうことが起こると
どこか遠めから眺めてしまいがちですが、
人の心を見事に描いた作品です。

私達は、極端にしないと、目にみえないことは、みえないのでしょう。
大きいところからながめられるようにいていたいと思いました。

【いもたつLife】

日時:2009年04月08日 07:30

エ/ン/ジ/ン

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主人公の原点を通した経緯から、
どこにでもいるような若者が関わり(関わる過去があった訳ですが)
それを著者に語るという進行の面白さを筆頭に、
「宇宙猿人ゴリ」という懐かしい特撮を絡めたり、
作中に短編小説が入っていたりと、
読み応えがある作品でした。

ファンタスティックでもあるし、
普通の男が活躍する嬉しい物語でもあるし、
表現描写も楽しませてくれる、そんな良い本ですが、
この作品の背景が、読んでいる最中に気になりました。

20世紀が、人間の欲が暴力として目にあまる顛末になったこと
(古来から戦争はあったことはもちろんですが)
先進国を主導に、経済が今までのスピードとは比較にならないくらいに
成長したこと(たぶん推測ですが)

20世紀後半には、その中で「何も疑わないで生きた人達」
もいれば、「うまく生きれなかった人達」もいました。

そのうまく生きれない人の心を通して、
20世紀を考えてしまいます。

著者は21世紀のこれからを、
ミライと隆一=これから中心になる世代に、
託したい思いが込められていたように感じました。

【いもたつLife】

日時:2009年04月07日 07:02

インサイド・マン

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話の内容ではない感想です。

今のアメリカ、もっと狭めてニューヨークを映し出しています。
資本主義の中での搾取する者される者。
資本主義と共産主義の政治思想と、
それはこれまでも、これからも争われることを示唆しています。
人種差別、しかも根強くあからさまに行われている様子が伺えます。
また、表面を剥がしてしまえば人は同じというメッセージもあります。

そして、人が人を簡単に殺すことも、
殺害しない犯人グループを主役にすることで描かれています。

推理とサスペンスの映画ですが、
随所にちりばめられた声に見ごたえがある作品でした。

【いもたつLife】

日時:2009年04月06日 07:17