米探訪記
有機つや姫
川西産直センターは、山形県東置賜郡で、
安全で健康な稲作に取り組む米農家のグループを作り、
真摯な姿勢で稲作を続けている会社です。
タツマでも毎年2銘柄の特別栽培米を扱っています。
今回の訪問で、有機つや姫の作柄も確認できました。
つや姫自体がまだ希少の中、有機つや姫は本当に貴重な米です。
昨年よりも出来が良いとのことで、
草=コナギに負けないように、有機つや姫は育っていました。
昨年よりも出来が良いと言っても、一般栽培と比べると、
収穫量は2/3以下です。
有機栽培はその苦労と比べ物にならない位の収穫しかないのが現実です。
(稲もサツマイモも)
しかし、有機栽培をやり続けることは、
そのノウハウを貯めることは、体験することは、
明日につながることと、今回も、
川西産直センターの平田社長を確認することができました。
もちろん、この地の米がより良くなることが確認できたのですが、
自社で行っている有機サツマイモの栽培の意義も再確認できました。
【米探訪記】
山形県の新米の出荷方法
東北を回り、茨城に戻り、静岡に戻る旅で感じたのは、
やっぱり農産物の放射能レベルのことです。
米はまず大丈夫でしょうけれど、
結果がでるまで心配なのは農家も私達流通業者もです。
茨城県、栃木県は、市町村毎に検査して、
県が発表し、出荷を決めて、
市町村毎に出荷がはじまっていますが、
山形県は、県が検査、発表、出荷の可否を決めるのは変わりませんが、
県内一斉に発表、出荷が決まるという手順を踏むそうです。
結果はまだ先ですが、米関係者は一斉の発表をかなり注目しています。
【米探訪記】
山形県の注目品種「つや姫」
山形県は果物王国そして、稲作の主要産業です。
地理的には新潟県よりも北に位置して、
内陸性(盆地もあり)気候の地方が多く、
果物も稲も高品質です。
そして、面積も広く、4つの地方に分かれています。
そのうちのひとつが置賜郡です。
置賜郡の稲作の中心地は川西町です。
ここも大切な農家がいます。
一昨年デビューで、昨年ブレークした「つや姫」ですが、
川西町の産直センターのつや姫を視察しました。
22年産はタツマでも取り扱いが多少でしたが、
23年産は作付けが増えた分扱いも増やすことができそうです。
つや姫は、山形県をあげてのスター候補、
川西町でも期待している新品種ですので、
間違いない品質のものを作るという気概が感じられました。
今年のつや姫は昨年以上に楽しみです。
【米探訪記】
真剣に取り組んでいることがわかります
有機農業で米作りしている及川さんからは、
色々なことが学べます。
毎年訪問する目的のひとつにどんな取り組みをしているかを
聞くことです。
今回も、EM菌と米糠のぼかしを活用した抑草方法を
教わりました。
有機干し芋のサツマイモ=有機栽培で、
草取りはかなり苦戦しているので、
早速試してみたいことでした。
他にも米栽培でも話をたくさん聞きましたが、
及川さんが真剣に農業に取り組んでいることが
わかる話ばかりでした。そして実際の田んぼがそれを
物語ってもいました。
【米探訪記】
震災の話
宮城県登米市は今回の地震で震度が高かった栗原市の隣です。
当時の様子を、登米市の米農家の及川さんから聞きました。
家は大丈夫だけれど冷蔵庫が倒れてきたとのこと。
農業倉庫は玄米が崩れて倉庫の壁を突き破ったとのこと。
でもこれ位は大したことはないとのこと。
登米市から東へクルマで30分の南三陸町は、
“何もない”とのこと。
そして話の半分以上は、フクシマ原発の影響でした。
改めて震災の爪あとを感じる話でした。
【米探訪記】
登米市の及川さん
タツマがお付き合いしている米農家の中でも、
一番まじめなのが、及川さんです。
そして研究熱心で、安心と安全と美味しさと追求している実践派です。
有機栽培は当然という感覚で、
手間がかかる天日干しでの乾燥、
モミ米での保管など、およそ考えられる安全と美味しさを
手間はかかっても実践しています。
今回もその様子がしっかりと伝わってきました。
何よりこの人なら間違いないという雰囲気がいつもあります。
本当にお付き合いしていて良かったと思える方の中の一人です。
【米探訪記】
塩崎さんのアキタコマチ
夏の間中今年の干し芋産地は、時折スコールのような雨がありました。
稲は刈り取り前の最後の最後に倒れてしまうことがよくあります。
(実って重くなりますから)
どれだけ倒れない、けれど実らせるかというのは大きなポイントです。
塩崎さんの稲には秘密が多く、それを聞き出そうとするのですが、
「企業秘密」と言われてしまいます。
けれど何年も通い解ってきたことは、
「粗植」と「土作り」です。
日当たり、風通しの良い租植は、健康な稲には欠かせないことが、
塩崎さんの稲を見ると明らかにわかります。
【米探訪記】
気になる草は?
有機農業では、稲でもサツマイモでも、どの作物でも、
付いて回るのが草対策です。
有機農家から私の「今年の稲の感想を」求められじっくり見学です。
全体的に草が少ないのですが、(かなりご苦労だったことが分かります)
ヒエの少なさに感動!です。
ヒエは、有機米の収穫にかなり影響があります。
また、農薬なしで田んぼから取り除くには、
文字通り取り除くしかありません。
こちらはもちろん、苦労(努力)もあったようですが、
今年の少なさは何が功を奏したかの決定的なことはわからないようです。
農業は因果関係をつかむのが難しく、
また、毎年試行錯誤して色々を試すので、
数年前の対策が実を結ぶこともあるからです。
なにはともあれ、この田んぼの様子だと、平年よりも収穫が期待できます。
【米探訪記】
有機コシヒカリの田んぼ
5月の連休に田植えした田んぼは、穂が出始めていました。
時折出揃っている田んぼがありましたが、
早稲種の「てんたかく」でした。
色が褪せてきている稲もありますが、
そこは穂肥(ほごえ)を入れる時期を示しています。
現代農業は、田植え時に一年分の肥料を田んぼに入れてしまうのが、
流行?(楽なので)ですが、稲の様子をみて、
また、穂に栄養をとらせるならば、
穂が出る前の稲をみて肥料を与えるのが、王道です。
【米探訪記】
はやい挨拶
平年は早くてお盆すぎの穂が実る頃、
もしくは稲刈り前に、新米の視察に回りますが、
今年は早めに訪問することにしています。
富山県滑川市の有機米の農家を訪ねた時も、
震災の挨拶から始まりました。
北陸は、西日本は別として、震災をは遠い感覚かと思いきや、
有機農業の講習で新潟に行き、そこでの他の産地の有機農家との交流があり、
人事ではない感覚のようでした。
【米探訪記】