銀幕倶楽部の落ちこぼれ
アバター 2009米 ジェームズ・キャメロン
とにかく見ておこう。ということで鑑賞しました。
これを作るのは大変だったろうな。が感想です。
今の技術はどこまでできるのだろうか?
見るものが追いつかないところで、
映像を留めているのか。
そんなこともチラッと感じます。
まぁ過渡期なのでしょう。
そして、これがあたりまえになるのかを、
注目したいですね。
ただどこまで言っても、
作品は精神です。あたりまえですが。
たくさんのジャンルがあって良いですし、
この映画は多くの人が観る内容でしょうから、
3D映画を普及させるのには、
こういう物語は良い選択だったと思います。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
ウルヴァリン X-MEN ZERO 2009米 ギャビン・フッド
このシリーズのことは、
なにも知らないまま鑑賞です。
ミュータントものが好きなので、
そこは楽しめました。
それと映像が鮮やかですね。
昔のフランケンシュタイン等の映像とは、
リアル感が違います。が、観客というのはわがままで、
こういう映像に慣れると、凄いと思わないものです。
かえって、光と影の演出の昔の映像に新鮮さや
リアル感を感じてしまいます。
映像がここまできて、次に「アバター」が現れました。
ここからまた、進歩してゆくのでしょう。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
金環蝕 1975日 山本薩夫
嫌らしい話を嫌らしく演じています。
遠めでみれば茶番なのを、
悪の当事者と、たくさんの傍観者は知っています。
それを打開しようとする少数の正義はつぶされます。
真実は公然なのに、平然と連綿に、
こんな馬鹿げたことが続いています。
この映画から30年以上経ち、
国民も慣れてしまっているようで、恐ろしいことです。
経済が縮小して立ち行かなくなって初めて変わるでしょうか?
それでは情けないですが、それでもその方が良いのかもと、
考えてしまいます。
今の世でも勇気があるジャーナリストはいます。
本当に応援してゆきたいですね。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
真夜中の招待状 1981日 野村芳太郎
愛憎と執念で人が変わってゆくさまがみれます。
科学的と非科学的の両方が絡みながら、
人の心のもろさ、不思議さ、愛おしさがみられます。
薬の弊害が原因という部分は、
原作当時では、公害問題がまだかなり熱をもっていたのかもしれません。
それらだけでなく、薬害を憂いていた内容は先進さも感じます。
小林麻美ファンのための映画かな?
という雰囲気は多分にありました。
私はあまり知らなかったのですが、
かなり人気があったようで、当時のファンは必見の作品だったのでしょう。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
最高殊勲婦人 1959日 増村保造
見所が多い映画で楽しめましたが、特に3つ
1、 長女が影の主役
2、 風刺が見事
3、 今観て価値がまたある
1、 なにもかもイメージできているかのごとく、
実は天然の長女が、インパクトありです。
生きる原点を語ってくれます、。
特にラスト近くの数秒は、まさに、生き方を語ります。
2、 コメディに現していますが、結構痛烈です。
人がひとりでいるときと、集団になったとき、
起こりうる、でも、えっということが
描写されます。
人間が好きというメッセージが嬉しい作品ですね。
ちょっと余談・・・
若尾文子が綺麗でかわいいし、川口浩も存分の持ち味です。
(脇を固めた人たちも善循環を感じました)
3、50年封じ込められた箱を空けたら、
そこには新鮮な物語がありました。
今も色あせないどころか、今観るから勇気をもらえます。
若い日本が封印されています。
私が生まれる前ですが、
幼いころ、こんな雰囲気があったことを、
忘れてしまったまるで鮮明でない記憶を呼び起こします。
決して裕福ではない、劇中今よりもかなり高いエンゲル係数もある。
けど、日本には勢いがあります。
これらと触れるだけで価値ありです。
映画の素晴らしさ、きつと誰も予想していなかった
映画の価値を感じました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
ディア・ドクター 2009日 西川美和
ウソもつき通せたとしたらウソではならなくなります。
そこには大変な努力、
もしかしたら、ウソをつき通すにはそれ以上の努力がいるからです。
そのために頑張っても、
だけどどうしようもない、かなわないことがあったら、
さっさっと白旗あげて逃走するのも潔しです。
主人公は隘路にはまっていたのかもしれませんが、
必要とされてしまいました。
幸運にも恵まれ、村と蜜月でした。
ただ、破綻はいつも頭に描かれてしたことでしょう。
だけど無駄あがきを続けました。
なにかそれが、自分だけのために思えなくなって来ていたのでしょう。
無医村を背景に、人間の性を表現している作品ですが、
男のロマンを感じずにはいられませんでした。
敗北を経験しながらも、もう一度真剣になる様は、
男がいつも心に秘めていることだからです。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
活弁シネマライブ
チャップリンの無声映画に、
弁士と生演奏で楽しむイベントがありました。
弁士は澤登翠さん、ギターとフルートの生演奏です。
昔 無声映画をこうやって楽しんだのは日本独特の映画文化だったそうです。
初めての体験でした。
今までの無声映画とはまた違った魅力があり、
当時は、弁士が誰かでその映画の人気も左右されたことでしょう。
弁士は決まった台詞を言うのではなく、
その場の空気と時事絡めて、個性的な表現をしていることが伺えました。
<番頭 1916 22分>
チョイ悪で子供っぽいチャップリンが様々なドタバタ、
めぐりめぐってハッピーエンド。
とお決まりのパターンですが、そこも楽しめます。
チャップリンのアクロバティックな技と
パントマイムが素晴らしいです。
時計を壊す。その時計が動き出す。
このシーンは後の作品の片鱗が垣間見ることができました。
<冒険 1917 20分>
アクションが野外から海から室内まで繰り広げられます。
リズムがよく、また、チャップリン自身の演技に圧倒されます。
喜劇役者やアクションスターにも多くの影響を与えたのがわかります。
高野虎市が出演しているのも見どころです。
<放浪者 1916 22分>
冒頭はチャップリンを期待するファンサービスで
始まり、本題へと入って行きます。
短編ですが、物語の構想もすでにかなり緻密に
行われていることがわかります。
短く短くでこれだけ伝えられる、
台詞が最小限でも伝わる。映画の凄さですね。
この映画も、
喜劇だけ、アクションだけでは終わらない
物語に主張を込めています。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
キャラメル 2007レバノン/仏 ナディーン・ラバキー
レバノンという国はアラブであり、
フランスの香りもする国であることが伺えました。
映画が語る力ですね
物語の舞台は、どこにでもある美容室件エステサロン(ベイルート)。
オーナー、スタッフ、常連のお客、ご近所さんの
いずれも女性の日常の悩みとともに話が進みます。
落語ではしばしば床屋がでてきます。
そこは庶民が集まって、ワイワイガヤガヤしています。
そんな雰囲気があります。
男と女の違いはあっても、床屋(美容室)って、
他愛もない日常が、多くの人の人生が集うのでしょう。
それぞれの解決したようなしないような悩み、
あたりまえの映画のようにそれぞれが成長して
終わるわけではありません。
だからそこには余韻があり、
女性の強さを感じます。
女性は強い、泣くだけ泣いたらすぐに立ち直るし、
たとえ仲が悪い友人とでも、その場では真剣な友情があふれる、
女性の人間味を感じました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
ユニヴァーサル・ストーリー 1996米 デヴィッド・ヒーリー
ユニヴァーサルスタジオの80年の歴史が、
とても多くの映画の断片と、USとかかわりが深い監督や俳優の語り、
撮影風景や貴重な未公開映像が映し出され、
映画ファンなら嬉しいシーンの連続です。
映画仲間達と観たのですが、
中には紹介された映画のほとんどを、
9割を観ている兵もいました。
映画史の一側面や、アメリカ社会と映画との関わり、
時代に受け入れられた題材やジャンルも追えて興味深く、
時に頷き、時に関心しながら楽しみました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
心中天網島 1969日 篠田正浩
心中が厳しくとがめられていた時代があったことは、
それだけ心中が多かった証ですが、
どうして心中するのか?
その感覚はわかりようもありません。
男と女郎が愛し合い、
どうすることも出来ず死ぬ。
現代ではこの状況で死を選ぶことはありません。
でも、死を求め、悲しいけれどそれで幸せを選びます。
死ぬしかないとまで想いが強まる凄さ。
これは、現代と当時の人々の違いが鮮明になります。
それは変わらない部分もクローズアップさせます。
この映画で、とてもうまく描かれていました。
黒子が進行を示唆するシーンや、
けっしてこっていないセットと照明も雰囲気があり、
役者陣も気が入っています。
特に、加藤嘉、河原崎しず江の両親はとても良かったです。
岩下志麻も今まで観てきた感じとは違う名演でした。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】