銀幕倶楽部の落ちこぼれ
スプレンドール 1989伊/仏 マルチェロ・マストロヤンニ
街の映画館とその裏方達と街の人にとっての映画館の役割
それを劇中に色々な映画を挟まれ語られます。
なぜここにこの映画を挟むのか?
きっと深く頷くマニアの方もいるでしょう。
映画の中の映画は、造り手の意図を探る楽しさがあります。
映画ってとてもたくさんのジャンルがあり、
人によっての解釈があります。
だから、
普段の生活を映画で語ることもできます。
そして、それが共通言語になっている人と話すと
とても楽しいものです。
世の中の流れと、映画の結びつきを
映画を観ればみるほど知りたくなるし、
そこに映画が持つ魅力と価値を感じます。
何年か後にもう一度観てみたい映画です。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
自転車泥棒 1948伊 ヴィットリオ・デ・シーカ
主人公の感情のあり方が切ないほど伝わってきます。
不安があり、ほっとし、喜びを妻と分かち合い、仕事にゆうゆうと。
どんでん返しからは、
後悔、あせり、不安、苦しみ、心配と心配かけたくない想い、
家族愛を感じ、責任感、父子の立場と自覚、家族の担い手としての責任・・・。
どうしようもない閉塞感では人はどうなるのか、
どういう心理なのか。
それを生み出した社会と関連づけて表現している、
みたくないものを、やわらかく表現して、
どっしりと感じさせる作品になっていると思いました。
救われないままに、人ごみに親子は、ラストまぎれます。
冒頭よりもマイナスからのスタートです。
ここにもこの作品が訴えたい、現実が現れていて、
「受け止めようよ」
それが心に残りました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
或る夜の出来事 1934米 フランク・キャプラ
傑作の折り紙つきに同感です。
たくさんの映画に影響を与えている所も随所にみられます。
リズムを重視して、ストーリー展開や脚本、台詞が作られています。
それがとても小気味良いので、引き込まれてゆきます。
繰り返しますが、ひとつひとつの壁を乗り越えて行く時の
エピソードが面白いプラスリズミカルです。
中でも印象的なのは、ラストです。
クラーク・ゲイブルなしの演出は憎いと思いました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
キリマンジャロの雪 195米 ヘンリー・キング
夫婦とは不思議な存在で、恋人とは違う。
とはよく言われることですし、
浮気をしても、戻ってくるのは女房のところ。
なんてのは、落語でもめずらしくありません。
魅力的な3人の女優は、この映画の華で、見どころでした。
それぞれの役割があり、しかも物語にぴったりの人選ではないでしょうか?
魅力ある恋人のエヴァ・ガードナー
別れてその空虚を埋める、違った魅力のヒルデカルド・ネフ
献身的な正妻?スーザン・ヘイワード
その中で、
夫婦関係は作り上げるものという良さが現されていて、
本物の夫婦にある幸せと、それに気づく素晴らしさが良かったですね。
キリマンジャロの頂きにいるヒョウについては、
一解釈がされていますが、これはもっと深く追求するテーマですし、
この映画では語りきれない自然のなせる行為です。
これは、改めてテーマに考えたい事象です。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
若草物語 1949米 マーヴィン・ルロイ
4人の姉妹が大人になっゆく姿を描く有名な映画ですが、
初めての鑑賞です。
ジューン・アリソンのジョーも良かったのですが、
1933年版のキャサリン・ヘップバーンも観たくなります。
この手の映画は、
衣装やセットが語る映像を観るのが楽しくなります。
女優4名も当時の大カンバンそろいということで、
今それを鑑賞する価値もあります。
同じ映画(内容は定かではありませんが)が、
日本版で1964年日活で製作されていることを知りました。
当時の日本の4名の女優も、当然観たくなりました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
黄金の七人 1965伊 マルコ・ヴィカリオ
細かいことは一切なし。
テンポよく、ポップだけど意味ありげな音楽と一緒に、
リズミカルに話が流れます。
みどころのロッサナ・ポデスタの衣装とセクシーシーンも
的を得ているように差し込まれます。
ストーリーも含めて、
できそうでできない作品です。
どうすれば楽しませるか?巻き込むように。
という意図を感じます。
粋な映画です。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
クロエ Chloe 2001日 利重剛
命を落とすほどではないけれど、
理不尽なんて、茶飯事で、この物語の中でも、
不治の病と言う最高の理不尽に隠れてたくさんの
どうにもならないことが散りばめられています。
だからより二人は二人が必要になることが、強調されていました。
純粋な二人の愛の物語として、
泣けてしまう話なのですが、
冒頭の砂のように崩れるという表現が
キーの話だと感じました。
抗うことができないこと、
限られた時間の中で生きている実感
それを観た後に考えさせる映画でした。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
マーシャル・ロー 1998米 エドワード・スウィック
ニューヨークが戒厳令下に置かれる、
当時より現在の方がリアル感がある設定です。
しかし、その精神は変わりません。
自由を得た尊さがあふれるからそれを守るために、
自由を失うことに進んでしまいます。
それを正常化する制度がアメリカにはあることを
訴えているようです。
アメリカを
嫌いと答える人がどれ位いるのかわかりませんが、
嫌われ者こそ偉大な制度を持っているのかも知れません。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
眼下の敵 1957米 ディック・パウエル
戦艦とUボートの各長短を活かし、突いて、
行き詰る駆け引きが行われます。
そこには戦時とはいえ、
男たちが持てる力と頭脳で戦うスポーツマンシップを
思わせます。
緊迫した様子が描かれそれが伝わるから、
観ていて気を抜けません。
特に潜水艦のつらさが上手く映されています。
後半に行くほどテンポが上がり、
どんでん返しがあり良かったです。
戦時で人間的に認め合うところも、
戦後10年以上経ったから描けたのではないかと感じました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
バーン・ノーティス 元スパイの逆襲 第1&第2話
題名が示すとおり、突然の解雇の理由をつきとめる物語です。
ヒットしているだけはあると思います。
何故で始まり何故で次につなぐ、王道です。
ちょっと説明しすぎが気になりましたが、
わかりやすくしているからでしょう。
むやみな暴力シーンがないのも好感です。
何も考えずさらっとなにか楽しみたい時に良いかな。
さぁ999円です!
でリリースして、お後をどうぞ。
という構図が勉強になりました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】