2009年04月
手錠のままの脱獄
日本にいると人種差別という言葉は、
頭でっかちにしかわかっていないと感じる映画があります。
この映画もそのひとつです。そして、テーマのひとつです。
少年の些細な行動に象徴されるように、
台詞や役者の仕草で現される当時の差別の実像は、
アメリカ社会の差別の根深さをとうとうと訴えます。
潜在意識ででる差別の態度は、映画だから気にとめるくらいの
日常の態度でしかありませんから、とても大きな壁があることがわかります。
これらは追われる二人の場面ですが、
追う場面でも違うアメリカが描かれています。
個人優先=自分のやりたいこと優先、でも自己責任、
背景は強く豊かなアメリカです。
もう一点のテーマは差別を乗り越えた友情です。
こちらは筋書き通りです。が、わりとクールに自然に描かれていました。
あまり熱くはならない、日本的な感情のように思えました。
観ていて個人的にしっくりとする流れでした。
黒人の主人公のカレンの歌が物語りの節目でうるさく流れます。
最初、途中、ラスト。
なぜかラストは心地よ響きます。
心が豊かになると(境遇は最悪になっても)
こうも違いが出るのでしょう。
【いもたつLife】
伏せこみ
さつま芋の種芋を植えて苗を作るのですが、
種芋を植えることを伏せこみと言います。
さつま芋の苗を育てるためには、外気温では低いために
ビニールハウスの中で種芋を育てます。
たい肥を入れて耕運しておいてから種芋を並べます。
その上からまたたい肥をかぶせます。
水と温度を保てば一ヶ月少しで苗が出来てきます。
【芋日記】
熱いトタン屋根の猫
「熱いトタン屋根の猫」という題名ですが、
映画化されると、この題名の意味がよ~くわかります。
(原作は読んでいませんが)
題名ピッタリに映画化されたのかもしれませんが。
原作者がこの物語を作るにあたって、
「登場人物が世に現れたらこういう行動だろう」と想像しながら
書いていったのでしょう。
驚くほどの想像力を感じました。
目の前で起きていることを作品に仕上げたという感じです。
ストーリーは大富豪一家の一日です。
あまりに強烈な生き方の代償は、
極端な家族関係になってしまいました。
一人の帝王は、欠けている心の連鎖を家族に植え付けました。
家族は皆心が痛んでいます。その苦しみから逃れるために、
偽りの生活をしたり、心を空にする生き方をしています。
帝王が愛した、帝王に愛されたい息子の心を修復することは容易ではなく、
長い時間をかけた自分への責めと妻への攻撃でも癒えることはありませんでした。
解決のためには、その原因まで遡るしかありません。
そこにたどり着くためには、帝王の死が条件でした。
映画ですから極端に描かれています。
そして、恐ろしくも感じます。
大富豪の家族だから、こういうことが起こると
どこか遠めから眺めてしまいがちですが、
人の心を見事に描いた作品です。
私達は、極端にしないと、目にみえないことは、みえないのでしょう。
大きいところからながめられるようにいていたいと思いました。
【いもたつLife】
エ/ン/ジ/ン
主人公の原点を通した経緯から、
どこにでもいるような若者が関わり(関わる過去があった訳ですが)
それを著者に語るという進行の面白さを筆頭に、
「宇宙猿人ゴリ」という懐かしい特撮を絡めたり、
作中に短編小説が入っていたりと、
読み応えがある作品でした。
ファンタスティックでもあるし、
普通の男が活躍する嬉しい物語でもあるし、
表現描写も楽しませてくれる、そんな良い本ですが、
この作品の背景が、読んでいる最中に気になりました。
20世紀が、人間の欲が暴力として目にあまる顛末になったこと
(古来から戦争はあったことはもちろんですが)
先進国を主導に、経済が今までのスピードとは比較にならないくらいに
成長したこと(たぶん推測ですが)
20世紀後半には、その中で「何も疑わないで生きた人達」
もいれば、「うまく生きれなかった人達」もいました。
そのうまく生きれない人の心を通して、
20世紀を考えてしまいます。
著者は21世紀のこれからを、
ミライと隆一=これから中心になる世代に、
託したい思いが込められていたように感じました。
【いもたつLife】
インサイド・マン
話の内容ではない感想です。
今のアメリカ、もっと狭めてニューヨークを映し出しています。
資本主義の中での搾取する者される者。
資本主義と共産主義の政治思想と、
それはこれまでも、これからも争われることを示唆しています。
人種差別、しかも根強くあからさまに行われている様子が伺えます。
また、表面を剥がしてしまえば人は同じというメッセージもあります。
そして、人が人を簡単に殺すことも、
殺害しない犯人グループを主役にすることで描かれています。
推理とサスペンスの映画ですが、
随所にちりばめられた声に見ごたえがある作品でした。
【いもたつLife】
中日ドラゴンズ連勝!
ドラゴンズファンでして、昨日今日の連勝に喜んでいます。
ただ、
あまりにも出来すぎで恐いくらいです。
レギュラーが全員ヒットを打ったようですし、
3番4番5番が開幕で揃ってホームラン。
昨日は新レギュラーの二人、ルーキー野本と藤井がホームラン。
浅尾が大役を果たし、岩瀬がセーブ、吉見が完封と、もううまく行きすぎです。
嬉しいですが。今日は負けるくらいが良いと思ってしまうほどです。
それはさておき、何故開幕が浅尾で、2戦目が吉見かの私的見解です。
落合監督の言葉どおり、
浅尾が先発として充分成長し、調子も良いことはそのとおりと思います。
しかし、吉見が開幕の方が順当でしょう。
そこで私の推測は・・・、
浅尾が開幕で成功すれば、浅尾自身弾みがつきます。
負けても失うものが少ないのも抜擢の理由のひとつでしょう。
そして勝てば当然浅尾に箔がつきます。
エース候補が吉見なみのエースになってゆくきっかけにもなります。
吉見が2戦目になるリスクは、吉見が腐ってしまうことでしょうが、
そこまでの実績が吉見にはまだないことと、
そういう性格ではないということでしょう(これは憶測ですが)
そして、吉見は昨年投手陣の軸として頑張ったように、
今年も開幕だろうが、2戦目だろうが、どっちにでても期待くらいは働くでしょう。
それよりも浅尾を開幕で投げさせて貴重な体験をさせて(自信をつけさせて)
できれば一年を通して活躍させるきっかけになった方が、
開幕戦を活かしきれるという落合監督の読みがあったのだと思います。
それにしても浅尾は期待以上でした。
そして吉見も。
いやぁ~今年本当に優勝・日本一が行けるかも。
昨年の阪神の例もあるし、まだまだ先は長いですが。
今日もガンバレ!
【いもたつLife】
くちづけ
時代を切り取っているので、昭和を生きてきた私には、
戦後の昭和の価値観が私に宿っていることが、否応なしに、
ひしひしと感じました。
生まれる前の作品ですが、三つ子の魂をみせられた感覚です。
この映画の描写は時代を端的に切り取ってみせていたのでしょう。
映画としても引き込まれました。
ふたりの主人公のキャラと展開に目を離せません。
この二人が時代の代表ですから。私は価値観が重なる、からかもしれませんが。
昭和32年は今から思えば隔世かもしれません。でも、
そこから普及したものもいくつか、古い映像で感じました。
原点は今より純粋なことも映し出されています。
人の欲望は発達します。
経済至上主義から利己至上主義に流れるているように感じます。
それが良いか悪いかは別ですが。
不足を感じることが日常だった時代をこの映画は切り取っています。
今この映画をみることに価値を感じました。
【いもたつLife】
祇園の姉妹
二人の芸妓の姉妹はそれぞれお互いのことを想って、
何とかしてあげたいと思っています。
性格が反対で、おっとりとした姉とは違い妹のおもちゃは、
勝気ですぐに行動に移します。
家族のための行動は「浪華悲歌」と同じです。
ただおもちゃの行動は短絡です。
姉は一見バカで遠回りですが、正統です。
しかし結末、表向きは同じでした。(このあたりが卓越です)
男はわかっているけどやめられない・・・バカです。
短絡的な行動のおもちゃにもてあそばれるのはあたりまえです。
この作品は、人の根源をある一面ですが、表現しています。
70年前なんてことは関係ありません。
その表現として映画が使われたということです。
しかし、映画という表現方法で、こんなにも根本をあらわしていることに、
この作品の価値があります。
鑑賞中、自分の考えがどうなのか、そして、その術はどうか?
愚かしいのは仕方ありません。
けれどそれに溺れてはだめです。
溝口監督は時間を超えて多くの人に、問題を提起していました。
【いもたつLife】
カサブランカ
二人の男とひとりの女、微妙な位置です。
それは宿命からでした。
戦時下のカサブランカも微妙な位置です。
統治、人々、金、酒、後がない様、
戦争も人間社会の宿命のようです。
その中で硬派に生き抜く男が何をしたか、
してきたかが、物語です。
確かにリックはかっこいいの極みでした。
(イングリッド・バーグマンも綺麗の極みです)
それだけの作品ではありません。
戦時下の世界を映して、その中で=微妙な世界で、
生き抜く人々の性が描かれているから、
映画史に輝く作品になったのでしょう。
【いもたつLife】
「病」になる言葉
「言葉」が「体」に与える影響の重要さを深く解りやすく、
メカニズムを紐解きながら、事例も挙げて解説してくれています
淡々と語られている実用書なのですが、
時折読んでいて、涙汲んでしまいました。
根源的なことが書かれているから、
著者がとても優しいから、
本から著者の大きな愛を感じたからです。
実用書ですから、
これから幸せに生きてゆくヒントがたくさんありました。
現在の日本だから起きてる現象に悲哀がありますが、
それを嘆いても個人の幸せはありません。
この本はそこからの指針も示してくれていました。
【いもたつLife】