2015年03月
繕い裁つ人 2014日 三島有紀子
偉大な先代を持つと大変です。主人公の市江(中谷美紀)がそれを乗り越える物語です。
まず、この市江というキャラクターに共感できたので、頷きながらの鑑賞でした。
相当苦労して身に付けた仕立ての腕前を持っています。
それだけに、仕立て以外の日常で生きていく所作は苦手ということが冒頭で紹介されます。
商い以外さっぱりダメで不器用な私としては、この部分で共感です。
でも市江はこれだけではありません。
伝説の偉大な先代の詩織は彼女の祖母で、詩織は、街の人達が一生涯着続けたい服を仕立てるという人でした。
もちろん独自デザインで自分で仕立てたものです。
そしてその服は、着る者の年とともに仕立て直せるもの、もう持ち主には無くてはならない服です。
代々受け継がれる服もあれば、死装束としたいと望まれる服でもあります。
そんな偉大な祖母詩織の命を継ぎ、詩織の服を持つ街の人のために、仕立て直しを、もちろん詩織と変わらぬ技で受け継いだのが市江です。
詩織に匹敵する腕前まで修行したことだけでも凄いことですが、市江は、意志もしっかり受け継いでいます。
大手百貨店のブランド化の誘いにも、毅然とした態度で断ります。
このあたりの設定も個人的にはお気に入りで、仕事のあり方とお客さんとの付き合い方にも共感です。
そんな市江ですが、詩織を乗り越えたいという気持ちが無いわけではないのは人情です。
もう街の人からも詩織の仕事を、それは、詩織が仕立てた服のメンテナンスと、詩織が設計した服を忠実に再現することだけでなく、市江自身が位置から仕立てた服を創ることを望まれますが、市江はまだまだそんな自分ではないと、自分に言い聞かせます。
まだまだ先代と肩を並べるまででないとします。
でもそこに葛藤があります。
自分自身と向き合う物語で、展開されるエピソードはそこに収斂していきます。
全体的に台詞よりも映像が主で、しかもゆったりとした流れの映画でした。
題材が、服、そして職人の仕事ということから、その流れは物語の雰囲気に合っていると思いました。
地に足をつけて生きていく。
その強さを感じました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
福福荘の福ちゃん 2014日/英/台/伊/独 藤田容介
人は人を癒し、癒される、反対に人に傷つけられる、
誰しも心に傷を負っているもの、
をほのぼのとした人情喜劇で表現していました。
話の流れは想定通りですから、
登場人物の心模様を追うことになります。
主役の福ちゃん(大島美幸)はじめ、出てくる人は、
ヒロインの千穂(水川あさみ)を除き、
普通であって、でも明らかに一癖ありと、
わかりやすい位に心に傷を負った孤独な人達です。
彼らの交流が深くなっていくのですが、
この辺りがこの映画の世の中捨てたものではないというメッセージに思えました。
ラストも出来過ぎ感はありますが、映画全体からすれば収まりは良いでしょう。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
メロンのポット苗
芽が出て約1週間で、ポットに移植します。
ポット苗として育てて、畑の地温が上がったら、再度移植します。
ポットの中でギリギリまで大きくします。
【芋日記】
野菜苗作り
かぼちゃ、ネギ、ナス、きゅうり、トマト等々、
この時期は自家製野菜の苗作りです。
大きくなり次第、順次植えていきます。
【芋日記】
麦が伸びてきています
冬の間眠らせていたサツマイモ畑では輪作の麦が、
ここにきて急に伸びてきています。
畑の状態を見て、早めに鋤き込むか、伸ばすだけ伸ばすかを決めます。
麦は伸ばした方が、それだけで、緑肥にもなし、線虫防除にもなりますが、
たい肥等を足したいと判断した畑は、早めに耕運して、肥料を土になじませます。
【芋日記】
サツマイモ苗床の土作り
4月初旬には、苗床に種芋を植えます。
そのための土作りです。
自家製たい肥を入れています。
この後は、地温を暖めておきます。
【芋日記】
春先は温度管理が重要です
メロンをはじめ、様々な野菜の苗を作る時期です。
芽が出た段階の幼い野菜ですから、寒さは禁物ですが、
かといって過保護もダメです。
朝晩の温度管理は重要な農作業です。
【芋日記】
メロンとスイカ
右がメロン、左がスイカの芽が出たところです。
苗床は温床にしてあります。
根が張ってきたら、ポット苗として、やはり温床で育てます。
【芋日記】
6歳のボクが、大人になるまで 2014米 ルチャード・リンクレイター
皆年を取ります。
この映画は、生きていること、それは時間が経過していたことを、そのままズバリ、
主人公を6歳から12年間追って出来上がっています。
よくやったものです。
だれもが潜在的に感じている時間経過を、本当に時間をかけて、3時間弱観客に見せて生きることと時間を目の当たりにさせますから、こんなに説得力がある映画はありません。
ラストに一瞬を大事にすることについて言及されます。
今の一瞬は今であり、いつも一瞬があります。
そして常に過去に過ぎ去っていく。
この映画は、6歳から18歳の男の子の普通の日常を淡々と映します。
私達が歩んだのとほぼ同じ生活です。
生きることは残酷です。
出会いがあり、別れもあり、いつの間にか年を取り、死を迎えます。
映画の主人公はまだ18歳ですから、これからがありますが、
同じく12年間を過ごした母や父の姿も封じ込まれていて、人生の後半の姿です。
人の一生なんて儚いものです。
だいぶ年を重ねた私としては、でも生きてきたことの素晴らしさも感じましたし、
次世代の身近な家族には逞しく生きて欲しいことを改めて願うことを、映画を見終わって想うばかりでした。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
敷き藁はたい肥に
干し場に敷き詰めていた稲藁は自家製たい肥の原料にします。
ほしいも加工中にでたサツマイモの皮に混ぜていきます。
有機農園では、稲藁の他に、米ぬか、大豆くず、モミがらも混ぜていきます。
【芋日記】