アメイジング・グレイス 2006英 マイケル・アプテッド
大英帝国で奴隷解放に尽力した、勇敢な政治家ウィリアム・ウィルバーフォース(ヨアン・グリフィズ)の半生です。
20年近く掛けて、その身をボロボロにしてまでも法案を勝ち取る様が描かれます。
周りは敵ばかり。
政治を司る彼等と、彼等を支える貴族ほど奴隷貿易の恩恵を受けています。
倫理に訴えても行き詰まります。
そもそも、幼い頃から「奴隷は奴隷」として身近にいたとしたら、奴隷がいるのが当たり前で、その恩恵に預かっていたのなら、ウィルバーが言っていることは、大英帝国を動かす彼等政治家たちにとって、目障りであり、国益に反すと根強い反対になります。
それを覆そうとするのだから容易ではありません。
少数ながら同士を集め、戦略を練り、勇気を持って事に当たりますが、挫折になります。
それが事実だったでしょうし、描き方もスリリングですが、劇中の台詞と相まって真実でしょう。
やつれるウィルバーを支える妻バーバラ(ロモーラ・ガナイ)の内助の功、大事を成すのに不可欠です。
物語は、現在、過去、現在進行で進みます。戦略的で精力的に動くウィルバー、でも苦悩してしまう姿、バーバラの支えと、それらをメリハリを効かせて、上手く語りかけてきます。
感動作とはいえ、自国の非を赤裸々にする映画です。
作り手の気概も感じました。
【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
マメ科の緑肥作物
自社の有機農園では、休耕畑の輪作として、
マメ科のクロタラリア、イネ科のソルゴや麦で土壌改良しています。
ここのところ、クロタラリアとは別のマメ科の緑肥作物を良く見かけます。
これも緑肥プラス線虫除けの土壌改良になるようです。
【芋日記】
雪の轍 2014土/仏/独 ヌリ・ビルゲ・ネイジャン
カッパドキアの景観の中で繰り広げられる、凄まじいまでの会話劇で、
人の本質を掘り下げます。
観光地でホテルを経営する資産家のアイドゥン(ハルク・ビルギナー)には、
若く美しい妻ニハル(メリッサ・スーゼン)がいます。
家には出戻りの妹ネジラ(デメット・アクバック)と従業員達がいます。
ある日アイドゥンが乗ったクルマが投石にあい、窓が割れます。
犯人の少年は、店子イスマイル(ネジャット・イシレル)の息子です。イスマイルは服役帰りで職がなく、生活は弟のハムディ(セルハット・クルッチ)頼りで、家賃を滞納していました。それを容赦しないのがアイドゥンと従業員で、強制退去を迫っていてその恨みから起きた事件でした。
ここでこの映画は不穏を暗示させますが、その予想以上に人の嫌らしさに言及していきます。
アイドゥンは悠々自適ですが、地元の新聞のコラムを担っています。好評のようですが、ネジラからは、批判されます。“上辺だけだ”と。
もちろんそれに反論するアイドゥンで、ネジラに言われて傷つけられた以上にネジラを傷つけないといられません。
ニハルは何故アイドゥンと結婚したのかわからない程で、年の差は親子以上、そして美しい、しかも頭脳明晰です。彼の資産が主目的ではないでしょうけれど、後押しにはなっているはずで、でも一見すると、地元の名士であり、立派な経営者でありしかも慈悲深い、元俳優のアイドゥンに惹かれたのでしょう。
でも夫婦仲は冷え切り、ニハルの今の生き甲斐は慈善事業で、寄付をすること、仲間と一緒に寄付を集めて、どう有効に使うかです。
そのニハルの慈善事業好きが鼻に付くのアイドゥンです。もちろんニハルの多額の寄付は彼の資産が出所ですが、それは別に気にしていません。彼も多額の寄付は毎年やっている様子で、それに金には全く困っていませんし、もうだいぶいい年だからです。
気に入らないのは、ニハルに群がる輩達が詐欺師に見えることと、ニハルが自分の思い通りにならないことです。
自由を赦されるように見えて精神的に縛られていることをニハルは重荷でしかたないから、アイドゥンと上手くいくはずはありません。
そんなアイドゥンをネジラも暇しく感じています、だからアイドゥンと口論になるし、また、ネジラとニハルもそれぞれストレスからか、この二人も激しい口論になります。
この家庭は、それぞれを傷つけあうことが常のような家庭です。しかも3人共に弁が立つから始末が悪いのです。
自分の都合が良い正義だけを振りかざすのがアイドゥンで、
彼の都合が良いとは、自分が自分を賞賛できることと、他人を操作・支配できる快感を得ることです。
ニハルを縛っていないように見えて縛ること、
貧困者を救うようでいて嫌っていること、金持ちも嫌いだし、頭が良い奴も悪い奴もアイドゥンは嫌いで、好きなのは自分だけです。(これについてはニハルに断言されてしまい、たじろぎます)
ただそれはこの物語全ての登場人物が同じです。
自己満足の慈善事業で生き甲斐を求めるニハル、動機は偽善で、天使のような私が好きなのです。
ネジラも別れた原因は誰が見ても夫にあるのですが、自分が夫に尽くしきれば夫はそういう人には成らなかった、私にも非があると周囲に振りまきます。どう見てもネジラはその場でそれができる人間ではありません。
ネジラも、私って思慮深くて大きな心持ちの人間だと認めさせたい女です。
イスマイルも同様です。
罪は他人のせいにします。百歩譲ってそれは正当としても、生活の糧を得ようとしないことは悪です。家族にしわ寄せを押し付けて、でも一番威張っているという男。イスマイルも自分本位です。
終盤にニハルは偽善の最たることをやります。
寄付と称して家が買える程の大金をハムディとイスマイルに提示します。
あまりの高額(この金の出所はアイドゥンで、ニハルとの口論で彼女が得たもの)に戸惑うハムディですが、イスマイルはニハルの偽善を叩き潰すべき行動に出ます。
金を火にくべてしまいます。
泣き崩れるニハルですが、彼女はこと自己満足を得たい時には全く幼稚な思考です。
また、イスマイルが受け取らない心も十分に解ります。その金を受け取ったら人でなしを許すことと、自分が人でなしであることを認めることになるからです。
しかし、イスマイルは既に人でなしなのです。家族のことを想えば、そして、自分のプライドを守るためだけに生きてきたことを羞じていれば、違う行為に至ったでしょう。
事程左様に、皆、自己愛が強い輩ばかりです。
ニハルがイスマイルと合っていた頃、アイドゥンは旧友と旧交を温めていました。
そこで、自分はニハルを支配していた、操作ばかりしようとしていたことに気づき反省します。
しかし、ラストで、でもそんな自分は変わることはないことにも気づきます。
どこまでも人は自分勝手です。
辛辣な物語でした。
追伸
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【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】
降って欲しい
梅雨明けから極端に降水量が少ない干し芋産地です。
夕立もありません。
追伸
8/8は「立秋」です。二十四節気更新しました。
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立秋
【芋日記】
草取りを続けます
この畑の、いずみは、一番最初に植えたのですが
葉の伸びが止まってきてしまいました。
まだ伸びているので、伸びきるまで草取りです。
【芋日記】
目立ってきました
育った芋虫をちょくちょく見るようになったのと同時に、
喰われた葉が目立ってきました。
通常お盆明けになると、芋虫被害が大きくなるのですが、
その兆候がみえてきました。
【芋日記】
陸田も穂がでました
ほしいも産地は、低いところに水田があります。
圧倒的に畑の方が多いです。
そこで地下水をくみ上げて陸田にしてあるところも少なくありません。
その陸田の稲にも穂が出てきました。
【芋日記】
畑を被うまで
畑の表面を鋤簾と手取りで除草が続いています。
サツマイモの葉が畑を被ったら、伸びてきた草だけの除草になります。
もう少し、芋が育つまで続けます。
【芋日記】
上手くいっている、いずみ
ここにきてグッと大きくなった、いずみです。
いずみは葉の伸びが遅いのですが、この畑は雑草に負けることなく育ちました。
地力が予想よりもある畑のようです。
【芋日記】
やってみないと解りません
線虫対策としてマリーゴールドを株の間に育てる栽培を、
色々と試しています。
この畑は、サツマイモを植えるのとほぼ同時にマリーゴールドを蒔きました。
サツマイモよりも生長が早く、実が大きくなるか懸念しています。
他の実験では、マリーゴールドを遅らせたので、
芋の方が生長しています。
【芋日記】