加工順を決めました
原料芋を加工順に定温倉庫に仕舞います。
一番奥は種芋です。
【芋日記】
この本を題材にした、著者の安壇さんを交えたチェロ演奏とトークのイベントに参加して、この本も手に取りました。
そのイベントでの横坂源さんのチェロ演奏が素晴らしく、読み進めていて、チェロ場面では音が響き、主人公の橘の心情、特に苦しむ展開では優しいチェロの音を聴いているようでした。
物語はスリルがあり、サスペンス要素もある、そして読みやすくて面白かったです。
大人の都合の社会的なテーマ、著作権をめぐる顛末に、映画や音楽を絡めて、また主人公の橘のトラウマからの脱却も織り交ぜてながらも、とても上手く纏めあげています。
孤独を決め込んでいた橘を通して、この世の中棄てたもんじゃないというのも共感が持てました。
【いもたつLife】
【11月大歌舞伎】
【松浦の太鼓】
忠臣蔵のスピンオフで、面白い作品です。
吉良邸の隣に住まう大名の松浦は、一年経っても討ち入りが行われないことにイライラが募っています。討ち入り前夜の登場人物たちのその面持ちの劇です。
赤穂浪士の一人源吾と俳諧の師である其角との出会いのシリアス場から始まり、
其角を交えた松浦邸の句会に場を写し、ここでは素っ頓狂の松浦の喜劇になり、そこから討ち入りが成される場へと進みます。
源吾が残した句がキーになり、登場人物が配されていて話も進みます。喜劇基調でありながら、忠臣蔵の心を語っています。
仁左衛門さんのコミカルな大名ぶりは当然の見どころです。
【鎌倉三代記】
父、北条時政の命をとるか、夫三浦之介の命をとるか、時姫は逡巡するこれが良い。
男、戦士だけでなく、三浦之介の母と時姫という武家の女の気概と、戦国での庶民の心持も描かれています。
物語は今の生き方とはかなり異なる思想で展開されますが、それがまた歌舞伎らしい時代物になっています。
【顔見世季花姿繪】
歌舞伎舞踊三作品です。
華やかで女形が美しい「春調娘七種」、身体能力が見せ場の漁師二人の「三社祭」、物語としても面白い舞踊の「教草吉原雀」。
三者三様の舞台です。歌舞伎舞踊はとても好きな演目なので、堪能しました。
【いもたつLife】
劇団SPACの「マハーバーラタ ナラ王の冒険」は大好きな演目で、おそらく10回は観劇しています。
そのSPAC総監督の宮城總さんが演出の歌舞伎を見逃す手はありません。今回は6年ぶりの再演です。
このマハーバラタ戦記は、物語はナラ王の冒険よりもスケールが大きく、天上界から下界まで、そして神々の思惑が人間界に伝わるかどうか、はたまた神々の使いたちの苦難の物語になっています。
三幕構成の舞台は回り舞台を駆使して一幕の中に七場の転換もあり、歌舞伎の舞台の突貫での変化の見せ所になっています。衣裳も華やかです。
宮城さんの演出はナラ王の冒険での演劇を踏まえていますが、同時に古典歌舞伎の良さも意図的に残されています。
スーパー歌舞伎のようなスペクタルなエンターテインメントではくくれない、私としては深さを感じるものでした。
演奏はSPACの俳優陣による打楽器のパートと、歌舞伎定番の浄瑠璃パートがありますがそこに違和感はありません。これも演出の上手さでしょう。
【いもたつLife】
演劇と映画とダンスが融合された楽しい演出の「伊豆の踊子」でした。
「観光演劇」と銘打たれているのが頷ける、映像には伊豆の名所が写り、ラストは原作の書生と旅芸人達と他の登場人物が現世に現れて伊豆観光を満喫している舞台とでした。
劇は、書生と踊り子たち旅芸人の旅(伊豆の映像付き)・宿でのひと時(これも映像付き)を順に追います。そして芸人たちの仕事、芸の舞台では、当時の芸の再現あり、歌あり、現代のダンス、パフォーマンスあり、そしてそれに合わせて映像(とミラーボール)を駆使して、時に観客を巻き込んで楽しませてくれます。
実直な書生と可憐で健気な踊子、そして踊り子の兄や義姉や母たちも真面目で、身分違いを超えての交流の様はとても爽やかです(役作りが上手い)。
書生はこの伊豆の旅の数日間、踊子との淡い純愛とこの一座との触れ合いが、これまでの自分を肯定させる貴重な体験になりその後の人生の転機にもなり、人生の大きな財産にもなります。
こういう体験は自分を振り返ってもあります。子供の頃、中学高校の頃、社会に出て間もない頃、いっぱしの社会人になってもその体験があるとないとでは大違いということ。
それらを心の中で再現させてくれました。
それは今の自分を作るとても大切なことで、書生と同じく今までを肯定させてくれることです。
その感覚はとても暖かく、それを導いてくれる劇でした。
最初のクレジットで豪華キャストに驚き、それらの人がちょい役で続々登場します。一度見では把握しきれませんでした。
その宝さがし感も良かったです。
【いもたつLife】