根付くか
黒マルチなしで、5月上旬に植えるのはリスクがあります。
根付くか心配です。
【芋日記】
休憩をはさんでほぼ3時間の会話が中心の群像劇です。
観ていて、集中力が途切れそうになる位かなり重たい内容で、休憩に助けられた観劇でした。
各登場人物の立場を踏まえた気持ちは解りますが、共感はできません。ロシア人気質だからなのか、ヨーロッパ自体が他国との関係が複雑だからか、和とは離れた感覚があることを強く感じます。
個々人が自分を大事にすることは総じると大きな正に向かうとも考えられますが、この劇(話)はどうにも負にしか、悲劇しか産みません。悶々とする展開です。
演出は随所にユーモアを散りばめています。また、本気ではないかと鬼気迫る主張があったり、愛をほのめかす演技も作り込まれていることを感じます。
本質的な演劇鑑賞でした。
【いもたつLife】
【SPAC演劇】 パレードとレモネード 三浦直之(ロロ) 演出
青葉公園にてのストリート演劇で、ショートコントをつなぎ合わせたオムニバス形式です。
そのショートストーリーがよく出来ていて面白い。
観客の気持ちを察しているかのように、つなぎ合わせのとっかかりで心を掴みます。
そして、街中の炎天下を味方にしていて、静岡を意識した組み立てにもなっています。
【いもたつLife】
昨年の「天守物語」とも親和性がある、人間と異世界の者との愛の物語です。
ヤスナに命を助けられた白狐のコルハは、恋人を喪い傷心のヤスナのために、グズノハ姫に化けて尽くします。子まで設けた二人ですが、クズノハ姫が生きていることがわかりコルハは身をひきます。
コルハの献身に涙が溢れます。観ていて異世界(獣だ)なんて関係なしです。これがメッセージでしょう。いつも世界中のどこかで常にある諍いに対してのです。
劇自体は宮城演出そのもので、役者はムーバーとスピーカーに別れてそれをいかんなく発揮します。そして打楽器を中心とした音楽と、衣装や照明を含めた美術も世界観を演出します。
今回はそれを基礎に、歌舞伎の味付けが施されていました。
主演の美加里はコルハとクズノハ姫と、コルハが化けたクズノハを演じ分けます。これがまたまた素晴らしかったです。
追伸
5/5は「立夏」です。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「立夏」の直接ページはこちら
立夏
【いもたつLife】
川島雄三「しとやかな獣」を彷彿します。笑うに笑えない非常にブラックな喜劇を。
そして男を食いものにする7人の家族の圧倒的なパフォーマンスは演劇ならではです。
また凄まじいまでにこみ上げてくる嫌悪感はミヒャエル・ハネケ「ファニーゲーム」を彷彿させられます。
支配と搾取は最低の行為で、それを平然とやってのける、平然と、それをみせられることは不快が極まります。
それを引き出すのだから、この劇に、造り手の思惑通りになったということです。
不条理、理不尽は自分と社会の間の遠くない隣に潜んでいます。いつ出会わないとも限らない。
平穏な日々は奇跡だと言っても過言ではありません。
素晴らしい劇でした。
【いもたつLife】
凛としたおりん、孝行息子の辰平、そしてもう一人 玉やんを主に演じる役者3人の楢山節考で、不足部分は朗読で補われています。
映画化された二作品も観ていますが、生々しさはこの劇には適いません。
そしてチェロの演奏がそれを加速させます、
役者3人の身体から湧き出る演技と台詞も鬼気迫り、こちらもそれに呼応してしまいます。
映画化された二作品も素晴らしかったですが、この劇も掛け値なしに傑作です。
そして、死を受け入れる、残る者に与えきる生き方は、棄てられない現代でも、いかに死ぬかの人間に課せられた宿命は変わらず、年を重ねるごとに迫る死を自分の中で決着つける、おりんを目指すことは死を(生を)全うすることだと改めて心に刻まれました。
【いもたつLife】