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第七の封印 1956瑞 イングマール・ベルイマン
時代は中世ヨーロッパ、十字軍の遠征から帰還した騎士、
疫病が流行る世紀末、この世の終わりを思わせる冒頭からのシーン、
そこに騎士を迎える死神が現れます。もちろんお迎えです。
騎士は死神にチェスを挑みます。
勝てば生きながらえることを条件にします。
どこかあどけない死神は、それを承知します。
ロードムービーのように騎士と、彼に着いていく者達と死神の旅が始まります。
疫病で苦しむ人々、魔女狩りの少女とのやりとりから、
神の存在を懐疑する騎士です。
そして彼には死神が付きまといます。
神の存在を問う騎士、それに反して騎士と同行している旅芸人の親子(夫婦と幼い子供)がいます。
彼ら(正確には夫だけ)は、暗黒の世とは無関係な生き方をします。考え方ともいえます。
彼には死神が見えます。マリア様も見えます。けれどだからと言って怖れもしないし、
救いを求めることもしません。
ただ飄々と日々を営むのです。
生きるとは?死とは?を命ある限りそれを自己が納得するまで追及する騎士と、
全く正反対の旅芸人の二人の姿から生きる意味を探ってしまいます。
どちらの生き方をしているのかではなく、
どちらも自分の中にあります。
ただし、自分の都合の良さを優先して、どちらかの自分を肯定させているのではないかと、
思うばかりでした。
ラスト、踊るようにして死神に連れられる騎士達、
この世で旅を続ける旅芸人の親子、
最後も対照的でした。
ここも選択権が自己にあり、自己にないことを感じるシーンです。
己で如何ともしがたいことが確かにあります。(死もそのひとつです)
けれどだからと言って選択権がないわけではない。それを強く感じました。
日時: 2013年11月15日 07:22