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まごころ 1939日 成瀬巳喜男
二度目の鑑賞です。
一度目の鑑賞では、二つの家族を通しての深くて優しい人間模様の映画、
そして、プロパガンダ色がありながらそれをも逆手に取って、主題を語っている映画と感じました。それは今回も同じなのですが、二人の子供を通しての親三人の成長物語だということがテーマだと強く思いました。
金持ちの夫婦の敬吉と敬吉夫人の娘が信子、貧乏な未亡人の蔦子の娘が富子、この5人の物語です。
かつて敬吉と蔦子は愛し合っていましたが、敬吉が金持ちの婿養子に行くために蔦子が身を引きます。敬吉夫人は気立てが良い蔦子に嫉妬しています。身を引いた蔦子の夫はとんでもない飲んだくれでしたが、蔦子は健気に尽くし、独り身になっても内職で実の母親と富子を立派に育て上げていました。
が、ある日、敬吉と蔦子の過去のことを知った子供二人は、複雑な気持ちになります。
そんな時に、信子がケガをしてそれが原因で、敬吉は蔦子とばったりと出会ってしまいます。
当然なにも起きませんが、合ったことを知った敬吉夫人は嫉妬から敬吉を責めます。
けれど誤解は解けて。という流れです。
小学6年生、大人に一歩踏み入れた女の子二人が、子供心に親を想う気持ちと、深い友情で結ばれていること、様々な体験から大人になっていく姿が汲み取れます。
それだけで、十分に心を癒される映画で、また、時代から周りの人びとのために(お国のためにも含まれます)という優しさも窺えるし、亡き父親が飲んだくれだったことに傷心する富子とそれを負い目に、そして不憫に思い、蔦子が富子を愛する姿、それを汲んで富子が自立しようとする姿にも、感動します。
それを踏まえて、親たち3人が成長して、結果敬吉はなんのわだかまりもなく出征するのですが、出征はともかく、3人共過去にケリをつけたことが印象的でした。
敬吉夫人は一番わかり易く、嫉妬していた自分を恥じて改心します。物語の流れからすんなりです。
敬吉は、蔦子とはもちろん何かがあるわけでもないですし、蔦子と結婚しなかったことに後悔しているわけではありませんが、婦人に対して、もうこの女はこのまま(自分にとっても娘にとっても良い女にはならない)というあきらめていた自分を、もちろん愛していないわけではないけれど、距離をおいていた関係性を改めます。
そして二度目の鑑賞で蔦子の成長に一番注目しました。
蔦子は、文句なしの女性です。
働き者で、ダメ夫にも尽くしていたし、敬吉の婿に行きたい気持ちを察して身を引くという自分を犠牲にしても他人のためと考え、しかも、それを心の底から願いとしてできる女性です。富子はクラスで一番の優等生なのですが、それこそ、蔦子の姿を観て育ったからに他なりません。
そんな蔦子ですが、富子に真実を、父親が飲んだくれだったことを話していませんでした。もちろん富子を傷つけたくないからですが、いつかは伝えなければということ、もちろん敬吉と愛し合っていた仲だったことも含めて、富子に話すことを「いつか」として躊躇していたのです。今回ちょっとしたきっかけで話さなければならなくなったのですが、やはり話したくないことでした。
敬吉との関係は潔癖で、誰に何を言われることはないのですが、富子に話せない自分を負い目としていたのです。
その自分にケリを付けたのです。
富子の台詞に「おかあさんもさよならしなくちゃね(敬吉と)」があります。
この言葉はこの物語は蔦子の成長物語でもあったことを語ります。
三人三様の成長を映した映画で、心が清くても、ちょっと貧しくても、前に進むことは気高く価値があることを示していたことを感じました。