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【spac演劇】RITA&RICO(リタとリコ)~セチュアンの善人より~ 演出:渡辺敬彦
【spac演劇】RITA&RICO(リタとリコ)~セチュアンの善人より~ 演出:渡辺敬彦
「善き人でありたい」大概の人はそんな人生を歩もうと、漠然としているかもしれないですが、歩もうとしています。
では「善き人とは?」それを劇にした作品です。
リタは善き人です。
困った人を助けずにはいられません。たとえその行為が自分を苦しめることになるとしても。そして、その行為が過保護であっても。
とても純粋な人です。けれどもその心の裏側には「善き人に見られたい」という利己もあります。
リコは傍目から見れば自分本位ですし、その自覚もあります。利己を追うから金儲けもできます。でも遠回しに見れば社会貢献をしていないとまでは言えません。利他を全くしていないわけではありません。
リタはその世界でどうしようもなくなるとリコに頼ります。
この演劇は、私たちがどう生きようとを、漠然と考えている頭の中を舞台であからさまにします。
善き人になるとはリタであればよいわけではなく、でもリコでは不十分であると、その狭間で生きてるのが日常でしょう。
私のことで申し訳ないのですが、私は利己な人であるという認識があります。かなり強く。でもそれが私の生きる、ほんのちっぽけな世界の中では利他として機能している部分が少なからずあるだろうという感覚があります。
利他とは、その及ぼす範囲でかなり成就する条件が変わるのではないでしょうか。
だからこの演劇はとても難しい題を題材にしています。けれど、リタ個人に落とし込むと、すんなりとこちらに入ります。
結局、できることは自分の守備範囲であることを伝えています。
リタが生きているこの街の外野の人たちはみんな利己でリタは悩みます。けれど、その外野の人もリタは利己であると感じている人もいるわけで、それが世の中です。
生きることは自己満足とは離れられず、でも少し人のためになっていたら最高なのでしょう。