月別記事

ブログ 今日のいもたつ

【SPAC演劇】ユビュ王、アパルトヘイトの証言台に立つ 演出:ウィリアム・ケントリッジ

160509blogy.jpg

南アフリカにとってアパルトヘイトが遺した負は、私達には想像できません。
この演劇は、不条理の王のユビュ王がどんな差別・支配をしていたか、その妻は黒人で夫に差別・支配される側です。不条理な仕打ちを受けています。
けれど、夫の本当の姿が、少しずつ露になるという展開です。

夫と妻のやりとりの他、犬やワニの人形が登場します。彼らがユビュ王の腹心のように王の悪事を後押しします。
そして、ユビュ王は証言台に立ちます。

人と人形のリアルな舞台の演劇以外に、スクリーンにアニメが映されたり、実際の南アフリカの映像が映されたりします。
それらはユビュ王はじめアパルトヘイトの実態を想像させます。

ユビュ王の姿が露になると何でも有りだったのか、を感じます。それと同時にアパルトヘイト撤廃から20年以上を経てもまだまだ傷があることを想像させる劇でもありました。

【いもたつLife】

日時: |

【SPAC演劇】三代目、りちゃあど 作:野田秀樹 演出:オン・ケンセン

160508blogy.jpg

シェイクスピアの「リチャード三世」を大胆な戯曲にした野田秀樹作をシンガポールのオン・ケンセンが演出、スケールが大きい国際色豊かな演劇に仕上がっていました。

出演者が凄い、イコールこの演劇の肝にもなっています。
歌舞伎、狂言、宝塚、バリの影絵、それらの要素が野田秀樹の「三代目、りちゃあど」をより多彩に多様にしています。言葉も日本語、英語、インドネシア語が乱れ飛び、音響も物静かから大音響まで、照明もモノクロームから派手で舞台を巡るようなものまで、視覚・聴覚・頭に訴えてきます。
日本の文化からインドネシアの文化までが飛び回っている舞台に圧倒されました。
とにかく役者がみんな力強くダイナミック。
そして原作の言葉遊びでのギャグも入るし、言葉の二重性も印象的でした。

主となるのは法廷で、被告はリチャード三世、戦争と跡目争いで犯した大量殺人を問うというもの。
検事が作者のシェイクスピアというのがこの戯曲の肝です。被告の弁護はシャイロックです。そしてシェイクスピアは彼の描いた人物達の逆襲を受けます。何故リチャード三世をせむしのびっこにしたのか・・・等々、それはシェイクスピアの生い立ちに問題があるという展開に。
これを軸に、劇はリチャード三世の跡目争いの歴史をたどりながら、突然現代の華道界の跡目争いをなぞったりと破天荒な舞台になります。

そして追求していくのは、今生きているのは幻想のひとつなのではないかに収斂していきます。

シェイクスピアの物語が、作者を参加させた裁判になり、そこには他の物語の登場人物も現れるという入れ子構造で、それに加えて、リチャード三世の物語と華道界の“りちゃあど”の物語が表裏になっていて、それらの表現が、歌舞伎や狂言や宝塚そしてバリの影絵と、とても複雑です。繰り返しますが台詞は3か国語とますますこんがらがりそうなところを、面白く纏めてあるという、これまでにない体験の観劇でした。

【いもたつLife】

日時: |

【SPAC演劇】It’s Dark Outside おうちにかえろう 作・出演 ティム・ワッツ、アリエル・グレイ、クリス・アイザックス

160507blogy.jpg

主人公は認知症のある老人、彼が見知らぬ男に追われて荒野を彷徨う様を様々な手法で(台詞はなく)描写します。

彷徨う老人には、今抱えている問題とも思えることから、過去の想い出や辛かったことまでが幻想的に暗喩として表現されます。
表現方法は、舞台の役者であり、人形であり、影絵でありで、観客の想像力のあちこちが喚起されます。

また、舞台の役者でリアルな映像を、人形は文楽を思わせるほど緻密な表現で老人の気持ちを、影絵は大胆で老人がどんな過去を過ごしたかを、こちらに投げかけるようにしています。

認知症は極めて現実的な社会問題で、個人的にも直面している問題ですので、とても身近です。
本人は現実がわからないことをとても不安に感じているはずです。けれど一方では、これまでの人生を楽しく振り返っているのかもしれません。そんな認知症の人の立場に立って作れられていて、かつ、これからの高齢化社会で高齢者と付き合う私達の嗜みを示唆している作品でした。

追伸
5/5に、5月の「毎月お届け干し芋」出荷しました。
今月のお宝ほしいもは、“紅マサリ四切りほしいも”です。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
毎月お届けの「今月のお宝ほしいも」の直接ページはこちら
今月のお宝ほしいも

【いもたつLife】

日時: |

神々の山嶺(漫画)

160506blogy.jpg

全5冊で量も質も濃い漫画ですが、一気にいきました。

舞台は1990年頃のエヴェレスト。
約70年前にイギリスの登山隊のジョージ・マロリーのカメラを偶然見つけ、初登頂したのではないかという、仮説を持った深町誠。
カトマンドゥで調査を始めると、ビカール・サンという男と接点ができます。彼は伝説で孤高の山男の羽生丈二で、カメラは羽生(ビカール・サン)が見つけたのではないかと推測、そこで羽生に興味を持ち深町は羽生を追うと、彼はとてつもない、今まで誰も成し得なかった登頂を目論んでいた。
ビカール・サン(羽生)に引き込まれるように深町もエヴェレストへ。

深町の目線で物語は進みます。彼も十分に山屋で、孤独を背負っています。
羽生という人物を調べれば調べるほど、山しかない羽生に共感していく深町。羽生は野望を遂げるか、エヴェレストの神々に嫌われるか、そこがメインです。
羽生は「エヴェレスト最難関ルートの南西壁の冬期単独、無酸素」という不可能に挑戦します。なぜ羽生はその登攀にとりつかれていて、つき動かされていて、自分の生のすべてをそれに捧げます。
その羽生を見届けるのは自分しかないと、深町もすべてを賭けます。

それを軸に、そしてマロリーのカメラの謎は?
羽生が唯一愛した岸涼子との関係は?
また、孤高の羽生が唯一心を許した山男の岸涼子の兄の文太郎は、羽生との二人の登山で命を落とします。文太郎を亡くしたことで背負った十字架、その清算がエヴェレスト制覇であること等の複数のエピソードが羽生という男が持っている、背負っているものを重厚に語ってくれます。

また、絵が見事でした。
人を寄せ付けない険しい山、そこに挑む姿、神々に受け入れられなければ=そこまで自らを山に賭けなければ、神は微笑まない、そんな描写が伝わる絵です。

この漫画と対峙している間中、羽生は矢吹丈と同じ類の人間だと強く感じていました。
決して立派だと褒められる人物ではない。泥臭く生きていくしかできない不器用な男です。
でも生きていることの密度は誰よりも濃い、そういう男です。

素晴らしい作品でした。

追伸
5/5は「立夏」でした。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「立夏」の直接ページはこちら
立夏

【いもたつLife】

日時: |

今年の麦間栽培

160505blog.JPG

いつもは春先早めに畝(うね)を立てて、その間に麦を蒔き、
育苗中に育てて、畝間にサツマイモ苗を植える方法でしたが、
今年は、秋の麦を畝幅内だけ鋤き込んでの麦間栽培をしています。

【芋日記】

日時: |

障壁帯を作りました

160504blog.JPG
輪作で育てた麦を畑回りだけ厚めに残し、障壁にした畑です。
病害虫防除と、風除けを狙っています。

【芋日記】

日時: |

掘り取り機を活用します

160503blog.JPG

ポテトチップス用のジャガイモを契約栽培で作っている農家です。
サツマイモ収穫時の掘り取り機がジャガイモの収穫でも使えるので、
大規模でやっている農家が契約栽培しています。

【芋日記】

日時: |

菜の花も緑肥です

160502blog.JPG

サツマイモ収穫の後、輪作のために麦を蒔きます。
それと同時に菜の花を蒔く農家が増えました。
麦だけよりも良い緑肥になるようです。

【芋日記】

日時: |

干し場の名残

160501blog.JPG

苗場のビニールハウスは冬は干し場にしています。
その時に麦藁を敷きつめるので、そこで落ちた種が芽を出しています。
麦はサツマイモよりも生長が早く、草とともに元気です。

【芋日記】

日時: |

草取りと同じく毎朝毎夕

160430blog.JPG

日中はかなり暑くなる苗場なので、朝ビニールハウスを風通し良くします。
逆に夜はかなり冷えるので、地温が上がっているうちにビニールをしっかりと閉じます。

【芋日記】

日時: |