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紅はるかの出来具合
昨年度にある程度の生産があった紅はるかで、
品質が良かったことから、今年度は作付けがかなり増えました。
そこで、今後どうなるかは、今年の出来具合で左右されます。
収穫量、大きさ、形は、ほしいもに加工する前提でも及第点の出来具合です。
ただ干し芋の場合は、このまま出荷ではありません。
干し上げて品質も含めて、どれ位どんなものできるか、までは決められません。
紅はるかは、歩留まりと保存性がどうなるかで、干し芋としての将来性が計られます。ただ、現時点では良い感じです。
手伝いました
ぎんさんの畑のつる刈りをしました。
一人で、しかも手掘りで収穫するのですが、
つる刈りは頼まれます。
この後、一週間ほどかけて、掘り起こしていきます。
深いと大変です
土の中で深く実が成っている時あります。
トラクターの掘り取りでは、深いと折ってしまうので、
手掘りにしました。
第二弾は安納芋
安納芋を栽培した畑を掘りました。
残念ながら育ちが良くありません。
この畑では安納芋は初めてでしたが、畑に合っていないようです。
同じ畑で紅マサリも植えましたが、そちらはまあまあの出来でした。
紅マサリは、畑を選ばない傾向があります。
品種改良によりその特性が活かされたのでしょう。
安納芋はたぶん種子島地方の在来品種ですから、
ほしいも産地では気候を含めて育てるのは難しいですね。
試し堀り、収穫はじめました
まずは育ちが良さそうな畑のサツマイモを、
試し堀りしてみました。
まあまあの出来具合なので、
そのまま芋収穫に突入しました。
イチかバチか 1963日 川島雄三
城山三郎原作ですから、企業と行政を中心とした経済に纏わる社会ドラマですが、
川島雄三監督がユーモアを織り交ぜています。また、個人が持つそれぞれの人(社会)とのかかわりにも言及している映画です。
ケチを貫き通してきて、会社を育てた社長の島(伴淳三郎)は、人生最後に会社と自分の全財産をかけて、会社を自分を大きく成長させる賭けにでます。(この大きなプロジェクトがこの映画の骨子です)
その方法は鉄鋼事業で今までにない規模の工業団地をつくることで、その誘致に積極的になる一地方都市の市長が大田原(ハナ肇)です。
そして島の参謀として北野(高島忠夫)が島に強引に招聘されます。
物語はこの三人と島の秘書(団令子)と大田原の秘書(水野久美)が主で進みます。
島の個性(ケチに徹している)と川島流の演出で、普遍的な魅力ある人物で、この映画の主人公です。彼は最愛の妻を亡くしたばかりという設定です。
彼は、仕事一筋でした。社員ももちろんすごく大事ですが、パートナーでもあり、島は、社員も己とともに大願成就することを願っています。
北野は島の戦友の息子で、息子のような気持ちを持っています。でも企業戦士として北野に期待していますし、それに応える北野です。
そして、行政の代表として大田原(ハナ肇)が伴淳三郎と共に主役です。
表面的には、企業の成長と地方が国から引き出せる補助金の利害が一致した泥臭い話なのですが、内面は人情物語です。その両面を映している所がこの映画の素晴らしい所です。もちろん、笑いを織り交ぜています。
伴淳三郎とハナ肇が活き活きしているのも印象的です。川島演出に乗っています。
二人ともクセがある役にピッタリで、これまでの川島作品にないキャラクターです。(この作品が遺作でなければ彼等は川島映画でもっと活躍したでしょう)
どこまでが私(個)で、どこからが公かがわからない人物です。これはとても魅力があり、滅私を厭わないけれど私(個)も大事にするのです。
世間と個のかかわりをどう捉えているのか、自分が芯に求めているのが何なのかを問いかけてきます。
でもその問いかけがストレートではないのが、川島監督らしさで、登場人物にハチャメチャ(女遊び等)を盛り込んでいます。だから登場人物が真実味を帯びるのですが。
当時斜陽とされていた鉄鋼産業ですが、国のための大儀名分と自己を乗り越える大事と、もちろん会社のためで島が奮闘し困難を乗り越える活躍をします。
大田原もクセがある市長ですが、市民に真摯な人物です。ありきたりな議会とぶつかり合うという構図も見せ場です。
クライマックスの市庁舎での大田原と議会の演説合戦、島の人を観る感覚に、人の泥臭くも可愛い生き方の肯定を観ました。
この映画は、冒頭に20億円の現金が積み上げるシーンがあります。ラストには300億円 の現金を積み上げます。迫力あるシーンで、島はそれを見て、実物を見ないと価値がわからないと言います。プロセスが解らなくなっている現代への警鐘を感じるし、人間の性を語っています。
そして、ラストしシーンは大願成就が決まった後の3人の身の振り方です。
それぞれが今と決別するのですが、これは川島雄三そのものの姿です。惜しくもこの作品が遺作になりましたが、彼はまた違う映画を撮ることを決めていたのでしょう。それが断言できるラストです。
本当に次の作品が観たかったけれど仕方ないですね。
追伸
10/8は「寒露」でした。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「寒露」の直接ページはこちら
寒露
濡れた二人 1968日 増村保造
この映画の結末は、ファーストシーンで既に決まっていました。
人は答えが既に出ているけれど、それを確かめるために生きているということが、
ままあるものです。
万里子(若尾文子)と哲也(高橋悦史)は結婚して6年経ちますが、まだ子供はいません。
そして、毎年のように旅行の計画を立てますが、哲也が仕事で多忙(東京でテレビ局に勤めている)なために、いつも没になっていました。万里子も仕事を持った自立した女性で、毎年哲也が旅行に行けるという日程で計画を立てるのですが、いつもドタキャンです。
この日もまた同じことが起きました。
けれど今回は様子が違います。万里子は一人で旅に出たのです。
流石にいつもと違う万里子の様子を気遣った哲也は、万里子の滞在先に一日遅れで追いつくという電報を入れます。
万里子はどうせ来ないと思いつつも、仄かな期待を抱いて駅に出迎えにいきます。
けれど、約束の時間に哲也は現れませんでした。
旅行先は万里子の田舎の南伊豆の漁村です。かつて万里子の親が世話をした女中の家で万里子は過していました。
旅先で万里子は、彼女よりも7歳若い哲也とは正反対な野生的な繁男という男に見初められます。
若くて粋がっているだけの繁男の言うことなんて真に受けなかった万里子ですが、強引な繁男、“欲しいものは欲しいという言葉と態度”の繁男に惹かれていきます。
自分にない素直さや、いつも堂々巡りばかりの考えの自分とかけ離れている繁男の生き様に惹かれたのです。
そして最後の最後まで約束を反故にされた傷心から、船の上で万里子と繁男は肉体関係を持ってしまいます。万里子にとって、“自分は変わる”という儀式のようでした。
しかし、滞在先に戻ると、なんと一日遅れで哲也が待っていました。
その夜、哲也にすべてを打ち明ける万里子。哲也もショックではありましたが、万里子を許します。万里子は罪悪感と哲也の愛を受けて泣き崩れます。
翌朝、二人で東京に戻るためにバス停に居ると、そこに繁男が現れます。
バイクで荒々しく愛の表現をします。
揺れる万里子とそれを止める哲也ですが、万里子は繁男を選びました。
その夜、繁男を待つ万里子の下には繁男は現れませんでした。
そして、離縁状が万里子に届きます。
表面上は繁男を好きになったから万里子は不倫したのですが、
繁男が居なかったら、不倫はしなくても、違うきっかけで哲也とは別れたはずです。
何があっても、ひとりで旅に出た時点でこの結末は変えられなかったのです。
最後の猶予は、哲也が一日遅れで追いつくかで、これなら、もしかしたら別れはなかったかもしれませんが、それでも結末を遅らせるだけだったかもしれない位に、この結末は決定でした。
万里子は、今までの自分の肯定を覆す離婚に逡巡していただけだったのです。
もちろん経済的に不足が出ること、仕事を含めた人間関係で離婚を踏みとどまろうとも考ていたでしょうし、だいたいが、離婚そのものが多大なエネルギーが掛かるので、踏み出せなかっただけなのです。
人は惰性という重力がいつも付いて回ります。
私は万里子は今後今以上に幸せになるかはわかりませんが、
不幸になっても後悔はしないように思えました。
牝犬 1951日 木村恵吾
自分の欲望のために、カモにした男から大金を搾り取る女。
シメシメとなるはずが、男を追い込みすぎました。
やりすぎで自分の首をしめてしまう結果になります。
マレーネ・ディートリッヒの「嘆きの天使」と似ているファム・ファタールです。
この映画の主演は京マチ子です。相手役の志村喬もですが、
狂気を帯びる役に徹していて、「嘆きの天使」に負けない出来です。
裸一環から真面目に30年間働き続けて、人も羨むまでの社会的地位を獲得した堀江(志村喬)ですが、エミ(京マチコ)とその兄(加東大介)の悪巧みで会社の金300万を横領してしまいます。その一線を越えた理由はエミの豊満な体です。
してやったりのエミ兄弟ですが、ヤクザものの兄は警察へ。
エミはキャバレーを堀江と共に経営します。
堀江は、家族を捨てました。社会的地位も。横領した金もすべてエミに捧げました。
彼にはエミしかありません。年老いた堀江は若いエミに捨てられることが恐怖でたまりませんし、自分のこれまでの人生の全ての代償がエミですから、エミを失うのは人生を失うことと同じです。
エミはそんな堀江が鬱陶しくてたまらなくなります。別れたくて仕方ないのですが、
逃げ場がない堀江は捨て身ですから、堀江から甘み汁を吸ったはずが、堀江に完全に束縛されてしまう結果です。
そんな折、キャバレーに若い男白川(根上淳)が現れます。彼は堀江と正反対で、エミを避ける男です。エミは相手にされないことと、堀江から逃げたいことから白川に惹かれていきます。
それに当然勘付く堀江は、ますます精神が不安定になります。
そこに、経済苦からストリッパーとなっていた娘の由紀子(久我美子)とキャバレーでばったりと遭遇してしまいます。
ますます自己を責める堀江がとった最後の行動は・・・。
主演二人がこれでもかという位濃い演技をみせます。
狂気を帯びていく志村喬、最初は堀江を手玉にとっていたのに、
堀江から逃れられなくなるエミの京マチ子、
二人とも熱演です。
勝負と言っては語弊があるかもしれませんが、
堀江を手玉にとって長い年月甘い汁を吸うとしたら、
あそこまで追い込んではいけません。結局エミは勝負に負けたのです。
勝つためには、堀江を生かさず殺さずが不可欠ですが、その匙加減ができない、過剰にやってしまうのが人ということです。
そんな人の性を強調している映画ですが、人の本質を突いています。
自由の代償 1975西独 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
主人公フランツが身ぐるみ剥がされることは展開上わかってしまうけれど、
これは大金を失う体験までに留めて欲しい。相手方のオイゲン達に腹立たしいが、彼が見た悪い夢、高い授業料だったで終わって欲しいと願いながら鑑賞しました。
階級社会が生む偏見(同性愛に対する偏見にも抵抗しているように見えました)を問題にしていてまた、搾取であっても、知りえる者が得をするという、それが資本主義のルールとも言いたいようです。
フランツとオイゲンはじめ同性愛者(男同士)が多く登場人物します。
フランツは見世物小屋の芸人でしたが、小屋が閉鎖されて金に困っていたのですが、宝くじで50万マルクを当てます。
その金が物を言って、上流社会のオイゲンと恋人になれて、同棲もできます。
オイゲンは製本会社の経営者の二代目で、社会的地位もあるし、教養もあり芸術にも通じている人物ですが、肝心の会社は火の車です。
そこに登場したのが50万マルクを持ったフランツで、彼はオイゲンを愛するし、上流社会と経営者というブランドに憧れて、オイゲンとその会社に次々と貢いてしまいます。
フランツは金の成る木ですからオイゲンは上流社会の、社会的地位があるオイゲンの家族の一員として表向きは対等に扱いますが、芸人上がりで粗野で無知無教養のフランツを真には軽蔑しています。
そして、知らないことを出汁にして、合法的な搾取と、愛を餌にした搾取をしていきます。
愛されているのは形だけということを認めたくないフランツですが、最終的には心が通じていないことに得心しますが、後の祭りです。
そしてフランツは絶望から、ラストの悲劇の死となります。
フランツにも隙はありました。
でも人らしさがオイゲンにあれば、違う展開にとも思うし、腹立たしいのは山々です。
けれど、オイゲンが持つあの、人を食い物にすることに何も悪くも感じないことは、階級の違いという生まれてこの方ずっと抱いていたオイゲンの当たり前の感覚でしかないのかもしれません。
また、無知無能が経営者を目指せば用の中から搾取されるのは資本主義の常識ではあります。
だから、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督は、敢えて悲劇ではない当たり前だという雰囲気でこの物語を描写していたように思います。
それは同性愛に対する描写も同じで、敢えてホモセクシャルが特別なことではないという感じの映画にもなっていました。
でも理不尽であることは間違いありません。(もちろん同性愛のことではありません)
そしてラストのエピソードにも二つの示唆があり、それはこの物語の真意の普遍性の追い討ちです。
ひとつは、早朝の駅で死んでいるフランツを見つけた二人の少年が、おいはぎをするのです。
もうひとつは、フランツの友人二人がフランツの遺体と出会います。二人は、煩わしい問題に係わりたくないということで見てみぬふりです。しかもそのうち一人はフランツの元彼です。(もう一人はフランツをオイゲンに紹介した男)
そしてその元彼ももうひとりの男の言うことを聞いてフランツに二の舞になるような感じを醸しています。
少年二人は、フランツの友人が来たところでフランツから離れますが、友人達がいなくなると、おいはぎを再開するという念を入れたシーン展開で映画を終えます。
最後まで、“これでもか”と否定したくなる人となりをみせる映画でした。
刺青一代 1965日 鈴木清順
最後の殺陣は絶妙の演出です。
多分、演じ手ひとりひとりはどうなるのか解らなかったのではないでしょうか。
美術もリズムもカメラも照明も見事ですし、主演の高橋英樹の大きな演技ともとても合っています。素晴らしかったです。
物語は平凡ですが、男っ気がプンプンしていて、クライマックスまでは任侠映画というよりも、男の魅力を伝える人間ドラマで、もちろん敵役がいるから一途な男が格好良いのですが、ヒロイン3名もそれぞれ味わいがあり、男臭い中に華を添えています。
時代は昭和元年、ヤクザの兄の鉄(高橋英樹)は組のために敵対する親分を刺します。それなのに、組は鉄を狙います。たまたま出くわした弟の健次が正当防衛で組の刺客を撃ち殺してしまいます。
鉄は落とし前をつけようとしましたが、弟想いから二人は満州へ逃げることにします。
日本海側の港町から満州へ行こうとしましたが、詐欺師に騙されて旅費を巻き上げられてしまいます。
仕方なく土方をはじめるのですが、そこは、正統派の土建会社とヤクザの土建会社がいて、もちろん鉄達兄弟は正統派で働くのですが、鉄達を厄介者としてヤクザの土建会社がちょっかを出してきて、鉄を追って組の殺し屋や警察がやってくるという話です。
鉄達が厄介になった会社の社長は組頭共々男気があり、そこに悪がちょっかいをだし、鉄が解決するという単純明快な話ですが、社長の妻の妹のみどり(和泉雅子)が鉄を好きになり、同じく鉄を気に入るバーの女おゆき(松尾嘉代)というロマンスと、鉄達は幼い頃に両親を亡くして芋いて、社長の妻(みどりの姉)の雅代(伊藤弘子)に母親を重ねて淡い恋をしてしまう健次のシークエンスがあったりと、話は結構広がるのですが、どれも最終的に収斂していきます。
また、細かいシーンも伏線としてしっかりと機能しているので、見えている話ですが、興味が途切れることもありません。
気風が良いはつらつ健康美の和泉雅子、鉄と同じく裏家業に従事して陰りがありながらも、自分を見失わない松尾嘉代、健次に慕われる母性的な伊藤弘子という女性3名が、魅力でまた、
ひたむきに仕事に取り組みながらも兄弟を気にする社長の山内明等々、浪花節も全開ですが、それも最後につながる要素として機能しています。
とにかく今まで見た高橋英樹の中でもダントツの格好良さでしたし、鈴木清順作品ここにありというクライマックスでした。