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ブログ 今日のいもたつ

お正月休みの間

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年始の挨拶を兼ねて、年末年始に仕上がった干し芋を
昨日から集荷をはじめました。
今日からは、蒸かす準備で、明日蒸かしはじめです。
干し場はお正月休みの間乾かしておける、
丸干し芋と厚切り芋が並んでいます。

【芋日記】

日時: |

ジャッカルの日 1973英/仏 フレッド・ジンネマン

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淡々と腕利きの殺し屋の仕事ぶりと、
それを追い詰める有能な警視を映します。

両者の、共に事に至るまでを丁寧に時間をかけて描写していて、
ロベール・ブレッソンのような雰囲気です。

用意周到、念入りに準備する殺し屋は、
イレギュラーにも対応出来て、
また人たらしの魅力も備えています。
サイコパス的な、女も男も惹きつける不気味さもあります。
対する警視も天晴れで、
任務のためなら政府の要人さえも利用、容赦ない仕事ぶりです。
二人の鍔迫り合いに魅入ります。

最後の最後に顔を合わせて決着が付きますが、世間には何もしれない現実を提示する所も好感です。

ちょっと話をなぞった感じや、
殺し屋の危機の落ち方が気になりましたが、
楽しめた映画でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

虞美人草 1941日 中川信男

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明治末の日本の上流階級が舞台です。原作は夏目漱石です。
男が3名、女が3名、性格が全然違う者達の恋愛模様ですが、
時代が生んだ個性の違いを強調しています。
新しい時代を現す者と古い時代観のままの者が織り成す物語で、
普遍的な人間模様です。

女性3名の行方が気になる映画です。
先進的な考えの藤尾、美も教養もありますが支配したい性格で憎まれっ子役です。
健気な役の小夜子、自分は影で良いという古風な女性役です。
明るくて素直な糸子、小夜子ほど古風ではありませんが、
小夜子同様に幸せになって欲しいと思わせます。

この3人、悪役藤尾、と良い役の小夜子と糸子という構図で、
男3人とその他の登場人物も悪役、良い役に分かれています。

観る者は当然ですが、不幸になりかける良い役達が救われるかに注目します。
でも物語はあまりにも悪役に仕打ちをします。
(藤尾とその母で母も結構な曲者でした)
そこまで仕打ちされるほどの悪ではないだろう。という感覚ですし、
この悪役二人の次の悪(小野)はお咎めなしです。

そこまで断罪するのは、夏目漱石が、
表層ではない人間が持つ本心を嫌悪したからなのでしょう。
藤尾は美貌と教養と金があることで自分は特別な存在、優れていると酔っていました。
藤尾の母も、決して自分を汚さないで、人を操作して欲しいものを得るということに徹していました。
小野も同罪でしたが、悔い改めたことで断罪されません。

漱石は自分で作り出した人物を自分で断罪しました。
一人は救いました。
彼が見ていた当時の日本の姿で、彼が予測したその後の日本が描かれていたのかもしれないと思いながらの鑑賞でした。

男(私達)の願望を醒めた目で描いた作品のようです。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

白夜 1971仏 ロベール・ブレッソン

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ブレがない映画です。
ロベール・ブレッソン独特の演技がない映画は、引き込まれます。
ワンシーンの意味を深く追ってしまいます。

物語は単純です。
一年前にパリのポンヌフで再会を約束したカップルがいて、
待つ女(マルト)も下に男が現れません。
マルトが自殺を決意した所に、通りがかったのが主人公ジャックです。
当然自殺を思いとどめます。
そこからのジャックの悲恋物語です。

ジャックの日々を語り、マルトの過去を語り、
二人が惹かれていく様を語るのですが、
そのすべてのシーンが思わせぶりです。
説明は最小限、観る者が汲み取るかです。
説明は最小限ですが、設定はわかりやすいので、
ミスリードされるようなことはありません。
それだけに、シーンの意味を探りたくなるのですが。

物語の骨子は、「古今東西、愚かな男が存在する」になり、
男として思い当たることが一杯ですが、
この映画は女心の表現が出色だと感じました。
マルトの仕草と台詞は一見単なる我侭娘ですが、
一線を越える越えないで揺れる彼女の心を映します。

ラスト、主人公は結局良い夢を見た。で終わるのですが、
打たれ強いのか、鈍感なのか、すぐに忘れてしまうのか、
日常に戻ります。
観客を映画から平常に戻すように。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

2014年元旦

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あけましておめでとうございます。
干し場には、安納芋、紅はるか、いずみ等が並んでいます。
ここのところ多種類の干し芋用の品種がでてきて、
干し場もにぎやかです。

年明けは、玉豊、玉乙女、兼六人参芋、ほしキラリ、クイックスイート等を
蒸す予定です。
今年も美味しい干し芋つくりをしていきます。
よろしくお願いいたします。

追伸
1/5は「小寒」です。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「小寒」の直接ページはこちら
小寒

【芋日記】

日時: |

メランコリア 2011丁/瑞/仏/独 ラース・フォン・トリアー

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今年も干し芋(お米)だけでなく、
映画や演劇や落語の自分勝手な感想をつらつらと書かせてもらいました。
大晦日も映画の感想です。
この映画は地球最後の日ですが、精神的には最後ではないという映画だと解釈しています。
皆様良いお年をお迎えください。
今年も干し芋のタツマをごひいきくださり本当にありがとうございました。

最期を迎える覚悟を問われました。

ラース・フォン・トリアー監督が描く地球最期の日ですから、
尋常ではありません。
哲学的な表現と、自己の鬱を表現しています。
このあたりは、観客が持つ造詣により受け止め方はそれぞれです。

映画は二部構成です。
第一部「ジャスティン」は、主人公のジャスティンの披露宴です。
延々と、憂鬱なジャスティンと、異常になっていく宴を描きます。
第二部「クレア」は、ジャスティンと姉のクレアと夫、一人息子が、
滅亡を迎える様ですが、ジャスティンとクレアの精神的な立場が逆転するところが味噌です。

クレアとその夫は社会的に「正常」とされている象徴。
ジャスティンは「異常」とされている象徴です。
その両者の最期の迎え方に焦点を当てていて、
己の死生観を鑑みることになります。

同時に人の価値とは?
ということも否応なく考えさせられてしまいます。
所詮、“狭い視野で自分勝手にああだこうだ言ってるだけ”の自分を観ることになります。
そんなことは頭ではわかっているだけ、
ということをハンマーで殴られて正気にさせられているようでした。

以上が感想です。
以下は、映画的に素晴らしいと思ったところです。

地球最期の日を語ることに対して、贅肉を削ぎ落としたという感じの演出です。
そして、日常では知ろうともしない、「異常」で片付けてしまうジャスティンの内面を、
美しく観念的な映像で誘います。
また、良い意味でラース・フォン・トリアーらしい嫌らしい悪意すら感じる、
第一部の光景と、それを逆転させる第二部で、その嫌らしさを回収して、
(私が解釈した)テーマを突きつけるやり方、
さすがラース・フォン・トリアーと思いました。

この映画ももっと深く読み取れると自負ができてもう一度観たい作品です。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

ペコロスの母に会いに行く 2013日 森崎東

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高齢の認知症の母親と息子とが織り成すほんのり喜劇です。
母の子供の時代の終戦前後、
息子を生んでからの苦労した時代が挟まれていて、
家族の歴史を振り返ります。

原作者は息子さんで、その実話がベースの映画化です。
母の人生で大事な人達が紹介されていて、
息子が母の人生に拍手を贈っています。

誰もが体験している日常が写るだけ、
特別なドラマがあるわけではありませんが、丁寧な描写は、
感動になります。やっぱり人の一生は尊いと思わずにはいられません。

もう母と別れてしまった人達、
お互いが高齢でもう別れが近い人達、
母は人生を振り返りそれらの人達との思い出を空想しますが、
それは自分と関わった人達も肯定しています。

また、認知症が進み、息子は自分が忘れられてしまっていることを嘆きます。
でも、それをも受け入れるのですが、
きっとそれすら人生の一部として腑に落ちたからでしょう。
きっと忘れてしまっていることなんて二人の関係のちっぽけな出来事でしかないと、
それが親子の関係で、美しい姿です。

高齢化、認知症、ごく身近な悲劇になりそうな題材を喜劇として扱うのは、
人の可能性の示唆です。
誰もが老います。それに対して勇気を与えてくれる映画です。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: |

年内大詰め

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お正月用にということで、頼まれている干し芋の
収穫、出荷作業で大忙しなのが毎年の干し芋農家です。
今年もいよいよ大詰めです。

【芋日記】

日時: |

ほし黄金ほしいもです

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玉豊とクイックスイートで品種改良された『ほし黄金』は、
昨年苗がほんのわずか出回っただけなので、
蒸かしているのを観るのは初めてです。

自社の有機農園でも作付けして種芋と取り、
蒸かし用も少しありますが、
まだ蒸かしていません。

簾(すだれ)に並べた印象は、玉豊に似ていながらも、
(甘さとやわらかさ)
形状の良さから玉豊よりも素性の良さを感じます。
作業性も良さそうです。
収穫量や保存性がまだわからないので、それらの検証が進むと、
『ほし黄金』のこれからの行方が決まってきます。

【芋日記】

日時: |

厚切りと薄切り

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本格的な寒さにならないと作れない厚切り干し芋をつくりはじめました。
紅はるかの厚切りです。
紅はるかの厚切りは初の試みです。
同じく、薄切りも試しています。
薄切り自体も初めて、紅はるか薄切りも初めてです。

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【芋日記】

日時: |