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逢びき 1945英 デビッド・リーン
恋に落ちた二人、特に女性の気持ちが、
86分に見事にまとめられています。
上品な作品です。
一見は不倫ですが、不倫という状況設定であって、
人の心のありようや、生きていく中のはかなさを、
また、おもいのままいかない社会を描写するために、
設定された不倫です。
だから題名は、邦題の「逢びき」よりも原題の
「Brief Encounter」の方がしっくりきます。
別れを邪魔するおせっかいおばさんの演出も良いし、
ラストの夫の憎い台詞と仕草は、
なかなかできないけれど、こうありたい、
妻を本当に愛している姿でした。
観ているときよりも見終って少し時間が経つと、
良い映画だったと感じる作品です。
アサヒ・ザ・マスター
ドイツビールとエビスビールばかり飲んでいるので、
違うビールを久々に飲みました。
確かにピルスナータイプです。
だれにも好まれる味でしょう。
主張はあるけど控えめ。私の感想では。
とにかくアサヒが「ビール」を造ってくれたのが
嬉しいです。
腰抜け二挺拳銃 1948米 ノーマン・Z・アクロード
キートンやチャップリンの孤高の存在がいての喜劇
とは違う、チームでつくった喜劇という感じです。
主役ボブ・ホープに加えて、ジェーン・ラッセルという色気も加わっています。
また、キートンらの精神は引き継がれていますし、
名探偵コナンをはじめ多くの元ネタになっています。
古い映画フリークを自称しますが、好きだからだけでなく
新鮮さや意気込みや感動を、古い映画から受けるのは
私だけではないのではないでしょうか?
余談ですが、「腰抜け二刀流 1950日 並木鏡太郎」
というこの映画の焼き直しが昨日まで神保町でやっていました。
行きたかったなあ。
ボロを着た王様 村崎太郎
部落民の差別は何も変わっていない。
差別している加害者がそれを意識していない。
させられていない。
そして臭い物の蓋をあけようとしない。
差別はしている方が意識しているかは問題ではありません。
人間の本質、被差別側にはまわりたくない。だから・・・。
著者もさいさん語っていますが、なかなか書けない問題です。
こういうことは目を凝らさなくては、
耳を傾けなければ、ますますわからなくなっています。
木曜組曲 2001日 篠原哲雄
密室に近いミステリー劇で、
その謎とスリルを味わう映画なのですが、
いまいち緊張感と、?マークが結構多い進行が気になりました。
が、
この映画は女優陣を楽しむ映画でしょうから、
そのへんは多めにみて楽しめば良いのでしょう。
しかし、このころの映画をあまり観たことがなく、
女優さんが誰かがわからず、浅丘ルリ子さん以外、
見たことがあるようなないような。
映画は現代劇の場合、その時代の空気を伝えます。
2000年初頭の空気はやっぱり今と違うし、
よく観る古い映画の魅力も改めて感じることもできました。
自然農の茶摘み
福岡正信さんが提唱した自然農を
かなり忠実に実践している知り合いのお茶摘みを手伝いました。
住まいは静岡の市街地から1時間ほど山に入ったところですが、
お茶畑はさらに10km奥に入った村の、しかも
その村で一番高い位置のにある畑です。
数時間のお手伝いですが、夏日なのに涼しい風と、
鳥たちの声を聞きながらの心地よい農作業でした。
レ・ミゼラブル 1957仏伊 ジャン・ポール・ル・シャノワ
1800年代のフランスを映像で体感できる。
映画ならではです。
この映画は、読み手に任せる本と同じような、
映画になっているところです。
各登場人物の人となりや、時代背景、
その時代の人々のあり様に、
造り手の押し付けを感じることがあまりありませんでした。
3時間の長編ですが、
常に自分で思考していました。
だからきっと1800年代のフランスを体感した感覚になったのでしょう。
映画講座 2010年春1回目
毎年秋の恒例の「小澤さんの映画講座」が
春にも開講されるようになりました。
秋の金曜夜から、今回は土曜の昼の日程なので、
主婦の方が参加しやすいのでしょう。いつもと雰囲気も違いました。
小澤さんはまずます話し方も上手になっています。
今回は「1対1の対決シーン」特集でした。
西部劇、東西の刑事物、カンフー、ヘリコプター物、時代劇、
それぞれの1対1シーンです。
主役と相手役のその時の関係や映画会社の事情まで、
1対1の対決から推測・解説は面白い視点からの特集になっていました。
赤い橋の下のぬるい水 2001日 今村昌平
中年男のファンタジーアンドコメディなので、
楽しく笑いながらの鑑賞が正当なのでしょうけれど、
笑うことができないでみおわりました。
「豚と軍艦」のころから、
この映画のころまでの日本をちりばめて、
水をモチーフにして物語ができています。
主人公を自分と重ねると、コメディでなくなってしまいます。
ホームレス、さえないビジネスマン、失業に失業保険、
田舎の漁師、都会と田舎の生活、
生活のためのマラソン留学のアフリカ男と町興し、
離婚をせまる妻とそれを支持する妻の両親、
住宅の売却、公害の後の神通川と神岡カンデ
そして性。
「水」の流れや形、勢いや静、または汽水を通して、
今村監督は何を言いたかったのか。
もしかしたら難しく考えずに、
私が感じたように、心のちょっと遠い所が揺れれば
それで良かったのかも、とも思いました。
大根の葉
掘りたての大根をもらうと葉っぱがシャリッとしているから、
捨てることができません。
3度の食事で煮て食べました。
戦争映画をみて、食べ物のありがたさを感じているから。
なんてキザなことは言いません。
ただ、こういう所も食べてみようを思うのは、
やっぱり現代が裕福なのだだろうという感覚がありますし、
それは大事なことです。