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雲ながるる果てに 1953日 家城巳代治
特攻隊の気持ちがわかるなんてことは言えません。
せめて汲みとりたい。
という気持ちで鑑賞していました。
同じ隊にいる一人がケガで、仲間と同じ日に出撃ができません。
ケガをしている当人が、仲間と一緒に死にたいのも本心なら、
仲間は生き残って欲しいと本心で止めます。
国のためとどこまでも信じる心は、
それが自分を納得させる手段だったのかもしれません。
以前知覧に行きました。
そこに残されている、10代の若者の残した言葉は、
己のことではなく、家族の幸せばかりでした。
人間の崇高さを感じました。
今回の映画では、それを信じることで、死ねる、
それも真実の姿として描かれていました。
もっともっと多くの想いが、
込められて空に散っていったのでしょう。
近い過去の不幸の原因を広くわかっていなければいけません。
ハッピーフライト 2008日 矢口史靖
時の流れの速さを感じます。
今、例外はありますが、飛行機はその需要は単なる移動手段です。
これは当然の進み方です。
たった2年前の映画では、
憧れの部分、非日常が航空業界に備わっていることが、
プ~ンとして作られています。
ただ、10年前とは趣が違いますが。
だからこそ時を感じる映画でした。
ただし、これだけ表と裏を写しただけで興味がそそられるのも、
航空の世界なのでしょう。
やっぱり空を飛びたいのは、人に永遠と積み重ねられた、
本能にまで影響を及ぼす欲望なのかもしれません。
潜行者 1947米 デルマー・デイヴィス
実際の夫婦だった
ローレン・バコールとハンフリー・ボガートですから、
どうなるかは察しがつくのですが、
一筋縄ではいかない、それどころか救いようがなくなってしまう。
でも・・・。
というところが良かったです。
映画の半分以上をボガート目線にするところも
斬新だったことが伺えるし、
当時の共産主義とのアメリカ(西側)の社会情勢が影響していることを、
踏まえて鑑賞することをおすすめします。
維新前夜 童門冬二
人生80年としますと150年はそんない遠い話ではないのですが、
維新から富国へ、太平洋戦争で廃墟へ、復興、
世界一の夢を見て・・・。
また日本はどこへ向かっているのでしょうか?
維新で活躍した人たちが現れた時代の空気を感じ、
それとは違う空気を今の日本に感じます。
時代がヒーローを生むとしたら、
日本がここまできた、今までの流れとは異なった空気にならないとならない。
それを思います。
日本人の美のようなものがない時代になり、
なにかとんでもない所にきているような気がします。
パッション 1982仏/瑞 ジャン・リュック・ゴダール
ひとつの映画でたくさんのことを語っていると思うのは、
ゴダールに対して少し失礼なのかも知れませんが、
それを感じました。
ゴダールは強烈に伝えたいものがあったのかもしれませんが、
この映画は、芸術からと、人の欲望のままからとのいう、
かけ離れた人の性から、人と時代に近づいて
人を語っているのではないでしょうか。
時代を反映させていなければ、もつとストレートな表現になった
けれど、時代を反映させているから重厚になっています。
でも、観客に映画の価値を預けているので、
多種の評価や批判もあるでしょう。
そここそが、ゴダールがつくる映画で、
魅力も感じます。
生きてきた経験値が問われる、これも恐い映画です。
モーターサイクル・ダイアリーズ 2003 英/米 ウォルター・サレス
会社の中の、会社を背景とした、一人として、
多くの人と接するのが今の自分です。
少なからずプライベートでも会社のカンバンが、
私を包んでいます。
生身の人間として、出会う、扱われる、
将来誰も思いもしない頃の、
チェ・ゲバラをただの若者として映画の中に入れています。
ゲバラが影響を受けたことを描くというよりも、
若者が何を思うか?
南米大陸にはあの頃何があったのか?
それを遠目に映しています。
現代の世界史の大きな流れの、バックを映像として持てたこと。
これからも人がもたらすたくさんの問題が、生きている限りだれもにも、
付いて回ります。
それは何故起こるのかを考える時、
この映画が語っている、物事の底流は、
思考を柔軟にさせてくれるように思いました。
天井桟敷の人々 1945仏 マルセル・カルネ
劇中劇にまで引き込まれます。
衣装やセットもよし、
冒頭の犯罪大通りの雑踏は見どころです。
こういう雰囲気好きです。
(「ええじゃないか」を思い浮かべました、こっちが元ですね)
そして、なにより洒落た台詞が魅力です。
愛が必要だ。(そんなことはわかっているよ)かも知れませんが
この映画ではそれが大事を、丁寧に訴えています。
自分の色恋が鈍感になっていることを、
生きる本質を「おまえはわかっているのか」と提言してもらいました。
戦時中の製作、様々な困難があったことでしょう。
制約が糧になる好例です。
戦争を肯定はしませんが、
戦時下だから生まれた傑作なのでしょう。
通帳は4つに分けなさい 亀田潤一郎
会社にお金を残す観点から、
経営の思想と、実務に分けて書かれています。
会社にお金が残るということは、
その会社が社会的に価値があることです。
そこから説いています。
実務に関しては、
シンプルに分かりやすく、かつ、効果があがる方法です。
お金の流れを経営者本人に、「その金はどういう金か」を
「見て実感させる」ことに主眼が置かれています。
本書に書かれていることは、
自社のお金管理に活かせることも多く、
それらをやってみることにしました。
近松物語 1954日 溝口健二
映画仲間とこの作品について話を始めたら、
とんでもないことになります。
それほど語ることが多い中で、何を書こうかと迷ってしまいます。
人は充分から不十分になってしまう時に何を求めるのか。
追い詰められてゆく二人が迫真に説いてくれます。
香川京子さんはまさに捨て身でこの映画に臨んでいます。
綺麗なシーンも多くまた、
着物、セット、細かい部分(お歯黒や髪型等)も溝口映画の例にもれず、
後世への遺産のようです。
溝口映画を観ていれば他は観たくならないかもと
おもわせる程に引き込まれました。
ネギの苗
不精していたのですが、
親孝行と言いますか。
ほったらかしにしていた畑に、
ネギの苗が育っていました。
ビニールハウスに持ち込んで大事に育てることにしました。
生命力がありそうです。
せっかくなのでここからは大切にします。