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ブログ 今日のいもたつ

張り込み 1958日 野村芳太郎

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張り込まれているのは、殺人犯の元恋人で、
今は愛とは無縁の結婚をし、
そこそこの暮らしができる三人の子持ちの男の後妻の身です。

張り込んでいる二人の刑事の一人はこの女を自分に重ねます。
この作品の注目がそこでした。

女は表向きは普通の生活です。
それは、自分らしさを自ら封印した姿です。
(そういう姿を演じている高峰秀子は本当に上手い女優です、
「永遠の人」でも発揮されていましたが)
誰しもその姿を演じている生活がありますが、
それをもって生まれた性のような、恐さで表現しています。

ここに、男は自身を振り返るきっかけを掴みます。
観ている私も、映画をみながら自身の私生活を振り返りそうです。
人生の意味、はかなさを、戻らない時間を。
しかし・・・、ここからです。この映画の後どうするかです。

女はどうしたか。想像の意味はありません。
「あなたはどうしますか?」これを刻めば良いと思いました。

張り込む=刑事ふたりが、女を観察する、その映像が単調に続きます。
そのあきてしまいそうな中に、意義を入れ込む仕上りは、
役者陣と監督陣がこの作品共通の意識があったからこそでしょう。

この映画も当時の映画力を感じさせる作品でした。

【いもたつLife】

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山廃純米呑切原酒 20BY

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今年も夏の菊姫恒例の蔵出し呑切が手元に届き、
早速のんだくれました。

12月に蔵出しされる山廃純米生原酒(無ろ過)を
一度だけの火入れで、半年間寝かせて、呑切の名を冠しての
蔵出しです。
半年間の熟成が確かめられます。
それは、この20BYの山廃純米が今後どうなるかの予想を
察せることにもなります。

生原酒はいつも以上に鮮烈な山廃純米でした。
それが、予想に反してのみくちが良い山廃純米になっていました。

「羊の皮をかぶった狼」のような酒です。

【酒呑みのひとりごと】

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永遠の人 1961日 木下恵介

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不幸にして夫婦になったがために、お互いが許せず、
30年もの間憎しみ会う夫婦と、それにまつわる家族、部落の話です。

この夫婦の三人の子供のうち長男は、父が母を犯した時の子であると知り
(不幸な結びつきの結果が自分)自殺します。
「子供には罪はない」と二人はわかりながら、憎しみに子達を巻き込みます。

子を持つ親として、許せない結果なのですが、この心理が痛いほどに伝わってきます。
二人もまた、前の世代や、ずっと続いている部落のシステム、時代背景に
巻き込まれて生きてきました。

話は昭和36年時点で終わります。
やっと自由、きっと今までと断ち切ること、この夫婦の次の世代からは、
これまでとは違う次元の時代に入ったそれを示唆している終わり方を感じました。

この頃の空気はきっとそうなんだったのではないでしょうか?
確かに、私が過ごしてきた時代は、この物語のベースとなっている
環境やしがらみよりもはるかに幸福な中で過ごすことができました。

この映画を観ながらもそれに感謝します。
ただし、この映画ではこの後の世代に、
もっと精神的な自立を期待したラストだったと今みると写ります。

環境が幸福になると同時に、精神の甘えをついつい持って時が流れた。
・・・このラストから約50年がそんな時代であったことを回想しました。

【いもたつLife】

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西部戦線異常なし 1930米 ルイス・マイルストン

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第一次大戦のドイツでの最前線が赤裸々に描かれています。

最前線にいるものだけが語れる、戦争が語られています。
だから、この映画の本当のことは未経験ではわからないのです。
だから、この映画を観ておかなければならないとも思います。

「戦争はなにか」のひとつの基準を示しています。
でも、戦争はいつの世もなくならない。
人間は本当は殺掠を好んでいるかという感覚になります。
たまたま戦後の日本に生きていることでの感覚の方がおかしい、
のではと悲しくなります。

西部で勝利をあげてそれが脚光をあびる以外、
戦争が終わるまでずっと、
「西部戦線は異常はない」と言い続けるのが戦争です。

【いもたつLife】

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好人好日 1961日 渋谷実

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飄々とした笠智衆はじめ脇を固めるキャストの演技が楽しい映画です。

胡散臭い奴でも、天下が認めると、その胡散臭ささえも魅力となり、
なびいてしまうのは世の常。
だけどそんなの関係ないじゃん。の主人公です。

俗人の私がみてちょっとムッとすることでも、
そんなの関係ないじゃん。は、
そうなんだと納得します。
だって俗人は(自分も含めて)そんなもんです。
そして、ムッとするとしたら、自分の卑しさを語るようなものです。

そんなことをあっさりと笠智衆がコミカルに語ってくれました。

【いもたつLife】

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レインメーカー 1997米 フランシス・フォード・コッポラ

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4人の弁護士(一人は弁護士の資格はない)を通して、
初心と今を写していました。
それと、金と名声への警鐘です。

1、弁護士になりたての主人公、無一文です。
2、やり手の弁護士、正義は二の次、でも依頼人には利益をもたらします。
その結果高所得も得ています。
3、もう一人の弁護士はヒールです。法律ぎりぎりです。
依頼人に利益をもたらしていますが、魂は売っていません。
主人公はロースクール後ここに勤めます。
4人目は、ヒールの補佐的存在、主人公の相棒です。
弁護士試検には合格していませんがプロです。庶民の代表です。

ストーリーの焦点は、主人公とやり手です。
もちろんこのやり取りも、これ以外のエピソードも楽しめます。

だけど、本質は人は初心を忘れようとしていないけれど、
勘違いで全く別人になっていることです。
知らず知らずで。
悪い訳ではありませんし、ここに表されるだけで四様です。
これは警鐘ですが、もう一つ、
金と名声を得る、もっとつっこめば、世間の期待に沿えることに自分をおくことを
拒否した主人公はお手本です。
これがこの映画のもしかしたら一番の提唱と私は心に響きました。

【いもたつLife】

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麦間栽培その後・・・7月初旬

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6月の終わりに小麦を刈り取り、
工場の軒下で天日乾燥しています。

昔ながらに、束ねた小麦を叩いて脱穀しています。
トウミを使って選別をする予定です。
その後製粉をどうするかまでは未定です。

小麦が熟してゆく6月は、周りの畑(田んぼも含めて)に、
美味しいものがあまりなく、
この小麦がすずめ達の格好のエサになっていましたので、
収穫量は期待していませんが、小麦自体はまずまずのものが出来たと自負しています。

ただ、他の野菜と違い収穫してから、食卓に届けるまでが、
(経験がないので)大変で試行しています。

【芋日記】

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カレンダーから世界を見る 中牧弘允

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太陰太陽暦(旧暦)は農暦ですから、
仕事柄興味もあるし、今年の今は旧暦だと何月何日か、
ということを結構気にしているので、
読んでおこうという部類の本です。

暦に対して、まだまだ知らないことが多いことがわかったという内容です。
太陽暦、太陰暦、太陰太陽暦というくくりだけではない、
歴史を伴うのが“暦”であることは、知っていても理解していないことでした。

そして、個々のカレンダーが物語る世界への招待もしてくれました。
時と共に消え行くのがカレンダーの宿命ですが、
そこには知恵が詰まっています。
暦に潜む歴史と、暦を映しだす種々のカレンダーにも潜む作り手の考えを
もっと知りたくなる本です。

【芋日記】

日時: |

忍ぶ川 1972日 熊井啓

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話は単純です。
訳ありの男 哲郎(加藤剛)と訳ありの女 志乃(栗原小巻)が、
心を分かち合い結ばれます。
集約すれば単純ですが、訳ありの条件をお互いが掛け合う所に、
真価がありました。

男は6人兄弟の末っ子ですが、
3人の姉兄が自殺、1人の兄が行方不明、残った姉は引きこもりです。
これを宿命と感じ、昔の田舎の状況ですから、
家族は隠れて暮らす様を自らで義務付けています。
(家族はまともではないこと呪われていることを、
宿命であり、不幸であることに従っています)

女は、女郎やの出です。料理屋に奉公に出ています。
家族は家を追われ、疎開先の寺になんとか住まわせて貰っています。
(女の家族はまともではないことを、負い目であっても尊厳を失っていません)

この二人が互いを補うのです。
男は女に約束します。結婚を。
(当時を推測すると、この状況で恋愛で結ばれることは、
女にとってとても幸せだったようにとらえました)

女は、男と男の家族に対して、
今までを断ち切る存在になります。

この描写をどう感じるか。
この作品は観るものに問いかけています。

物語は単純です。
こんな過去を持つ人も今は稀有でしょう。
だけど、映画を観て考えます。

自分にも多くの何かにひっぱられていることが確かにあります。
それを断ち切る力はどこから湧くのでしょう。
過去にはいくつかを断ち切ったこともあったことを思い起こします。
でも今も引っ張られています。
これからもそこから抜け出すことをするでしょう。
そこには、自分を補ってくれる誰かの存在ってとても大きいものです。
それを意識させてくれる映画でした。

【いもたつLife】

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チャーリー 1992米 リチャード・アッテンボロー

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主演のロバート・ダウニー・Jrのチャップリンぶりは、努力の成果が伺えます。
この映画を残したい気概が感じられました。

偉大なるチャップリンですが、
その名声には影があることも知られています。
それを自らの言葉で語る、語らせる、そんな意図も含めて
この映画がつくられています。

偉大な功績と当時のチャップリン評は、
アメリカの20世紀の姿でもあります。

彼は何故喜劇を選んだのか、もっと言えば映画も選びました。
サイレントも選んでいます。
それらは成り行きということもいがめません。
ただ、とりつかれたようにそこに魂を吹き込むことも描かれています。
それは真実でしょう。
だからアメリカや世界相手に譲れない自分を持ち続けました。
偉大な作品は、そんな思想と思考が生み出だしたのでしょう。

【いもたつLife】

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