ほしいもとサツマイモのことで知りたいことがあれば是非ご活用ください。
1.たかおさん(沢畑隆夫)
タツマと最も親しくしている農家です。そして、育てるのが難しい品種“いずみ”づくりの名人でもあります。
いずみは、一般的な品種の玉豊(たまゆたか)の2/3程度しか育たない=収穫量が少ないために、栽培する農家もごくわずかです。そのいずみを大きく育てる名人なのがたかおさんです。大きく育てるだけでなく、美味しさも格別です。
その秘密は、たかおさんご夫婦が、とても丁寧に農作業をするからです。毎日朝から晩まで、裏の畑に通い地道にさつま芋(いずみ)を育てます。干し芋づくりも同じです。
これなら、美味しい干し芋ができて“あたりまえ”だなといつも感心しています。
2.市雄さん(住谷市雄)
タツマがほしいも作りをするに当たり、畑の土作り、たい肥作り、原料芋の苗作りから、夏の間の生産管理、芋堀り、原料芋の保管、そして干し芋の加工と、その全ての行程において困ったことがあると必ず相談に行く駆け込み寺のような存在が、住谷市雄さんです。
ほしいものことだけでなく、稲作や野菜作りなどとても博学で、色々な疑問に何でも答えてくれます。
市雄さんの仕事はひとつひとつの作業が丁寧です。持ち前の経験と知識を活かして作り込まれた干し芋は、とても高品質な干し芋に仕上がります。
3.時男さん(小池時男)
美味しいほしいもを作る農家は、何かしらその人ならではの工夫をしています。
サツマイモ栽培を見ても干し芋作りを見ていても、随所に時男さんの工夫がうかがえます。
時男さんは畑の土作りを重視しているので、自家製たい肥を作って畑に入れています。
収穫した原料芋も陽に当ててから保管します。時男さんのサツマイモは、いつも大きめで形が良いものばかりなので感心します。
もうひとつ、時男さんは手作りで便利な機械や道具や、簡易乾燥室まで作ってしまいます。とても器用な人です。
タツマが茨城県にひたちなか市の長砂に自社農園とほしいも加工場を建てた時に農作業で必要な井戸は、時男さんに掘ってもらったほどです。
4.塩崎さん(塩崎昇)
「どうすれば干し芋にして最高のさつま芋ができるか」いつも考えているのが塩崎さんです。
秋に収穫するまで、どんなサツマイモに育っているかは誰にもわかりません。しかし、できるかぎり自分の理想どおりにして行く努力をしているのが塩崎さんです。
苗床作り:天然鉱石の粉末を使って苗床を作ります。逞しい苗作り:太くて丈夫な苗になるまで育てます。 苗を植える畝(うね)の幅、苗を植える間隔と、どこまで植えるかの深さまでを意識して植えます。
堀りあげたサツマイモの天日干し: 掘ったサツマイモを2〜3週間もの間畑で天日干しにします。弱いサツマイモはこの時点で淘汰されます。そして、長い時間日に干されたサツマイモは、冬になるとデンプンが糖に変わり寒さにも強い原料芋となります。
自然にはかないませんが、できることを尽くし栽培しています。
その後のほしいもへの加工作業も塩崎さんは実に丁寧な仕事をします。作業場はいつも綺麗に掃除され、整理整頓されています。作業場を見るだけで塩崎さんの干し芋は間違いがないことがわかります。
そして、塩崎さんのオリジナルが、天然鉱石のセラミックを使用していることです。とても高価な天然鉱石のセラミックに蒸気を通して、原料芋を蒸かします。
(この方法で蒸かしをすると)「蒸け上がりが早くて仕上がりも早い、色もより綺麗な飴色になる」そうです。
23種類のミネラルと微量必須元素を含んだ天然鉱石を通した蒸気が、多くの好影響を与えているのがわかります。
そんな塩崎さんのほしいもは、タツマが仕入れる中でも毎年トップクラスの出来栄えです。
5.進さん(黒沢進)
進さんのほしいもも素晴らしい干し芋です。その秘訣の一例を挙げるとしたら、生芋(原料芋)の保管方法です。掘りあげたサツマイモを天日干しした後に保管場所に移動するのですが、壁の中にもみ殻を挟んだ保管庫に入れます。12月は寒さが本格的ではないので、その保管庫ではなく、外のビニールハウスにさつま芋を保管しておき、それから干し芋に加工していきます。
進さんの腕の見せどころは、最も寒い大寒の頃です。もみ殻保管庫で、その日の気温を見て微妙に温度調整をします。大寒の前後、予想より温かいと感じると、昼間換気をします。寒い日や寒くなると予想すると、毛布を一枚掛けたり、裸電球があるのですがそれをつけてほんの少々温度を入れます。いよいよとなると、ストーブの火を入れます。
ほしいもの美味しさの半分は、原料のさつま芋をどう熟成させるかです。寒さとともに少しずつ甘さがのるのですが、急激に寒くしたら腐ってしまいますし、大事にしすぎても、あまり良い干し芋にはなりません。
そのあたりのさじ加減がとても上手なのです。
それだけに限らず、多くの知恵が進さんにはあります。
6.進さん(打越進)
まだまだ現役、大正生まれの鉄人です。
さすがにここ数年は作付けが減り、最近は1月一杯でほしいも作りを終えてしまいますが、70歳代ではタツマの4番バッターと言われるほど、品質がよくて生産も多いほしいも農家でした。
大正15年の生まれですから、80歳をゆうに超えていますが、まだバリバリの現役ほしいも農家です。
「この年になってまだ干し芋やっていると笑われるからもう作るのは少しにするよ」と笑って言いながらも、やめるつもりは全くなさそうです。
夫婦二人で約8反の畑で育てたサツマイモを干し芋に仕上げています。いつまでも頑張って続けてほしい進さんです。
7.静さん(川又静)
時計の針を刻むように、毎日計ったように規則正しく干し芋つくりをするのが静さん夫妻です。朝2時に起きてサツマイモを蒸かしはじめて、3時過ぎに皮むきをします。
午前中一杯で蒸かし・皮むき・スライス・簾(スダレ)への並べを終えます。午後には翌日の準備をはじめ、午後3時には、干し上がったほしいもを選別しながら箱詰めします。まじめな仕事ぶりは干し芋にも現れています。
8.勇さん(永井勇)
些細なことを積み重ねていくと、とても良い仕事になるという典型です。
「(永井)勇さんの干し芋はなぜ美味しいの?」何度も聞いたことがありますが、どの答えも既に知っていることばかりです。
*よく蒸かすこと
*丁寧に皮をむくこと(その他の作業も丁寧に)
*原料のさつま芋を糖化させてから干し芋にすること・・等々
干し芋農家なら、誰もが言っていることです。でも、勇さんの干し芋は群を抜いて美味しいのです。
それでは原料芋の栽培に秘密があるのかと、栽培方法を聞いても、特に秘訣があるわけでもなさそうです。
それでは畑が特殊なのかと言うと、ごく普通です。勇さんの隣の畑の干し芋が同じような干し芋になるわけではないのです。
繰り返しますが、勇さんの干し芋は特別に美味しいので「その秘密は何?」と何度聞いたことでしょう。
自社農園で栽培をはじめ、干し芋作りをしてわかったことは、“この方が良いというできること”を積み上げて行くととんでもない差になるということです。これは干し芋作りだけではないでしょうけれど、干し芋は苗作りからはじめて、最終的に干し芋になるまで一年がかりです。その間に様々な多くの作業があります。
誰もが知っている、“この方が良いこと”の結果が勇さんの干し芋なのでしょう。
9.まこやん(大和田誠)
まこやんはとにかくまじめな農家です。
娘さんと二人でほしいも作りをしていますが、親子そろってまじめで、手間がかかる作業も黙々とこなします。
手がかかる干し芋はまこやん親子に頼めば、間違いなく上手に仕上げてくれます。
まもなく80歳ですがとても若く、干し芋を運ぶ時も率先して手伝ってくれます。
小さい体のどこに力が潜んでいるのか、いつも元気一杯です。
10.力男さん(照沼力男)
「とにかくゆっくり蒸かすこと。急いで蒸かすとひとつも美味しくない(ぜんぜん甘くない)」力男さんの口癖です。
ほしいも加工中毎日のように力男さんの家に行きます。いつも夫婦二人で丁寧で地味な作業をしています。力男さんご夫妻もタツマにとって欠かせない農家の一軒ですし、仲の良い農家の一軒でもあります。
ほしいもが仕上がった時に力男さんが、「いやぁ〜よく出来た!売るのがもったいない」
「とっとけないんだから、(福井に)渡すしかあんめ(渡すしかないでしょ)」と笑ってほしいもを渡してくれることがよくあります。力男さんがプライドを持って干し芋を作っている証だといつも思っています。
11.永井先生(元 小学校・中学校の校長先生です)
かつては小学校・中学校の校長先生、その数々の栄光の教育実績から、平成12年に名誉ある勲五等瑞宝章を受賞、そして、家には男女二人の使用人がいるという地方の由緒正しい家柄。干し芋農家としては、とってもめずらしい経歴を持っているのが、永井先生です。
85歳ですので、回りの農家のおじいさん・おばあさんはすべて永井先生の教え子達というのも納得です。みんな、鼻たれ小僧だったという話を聞いてもピンとはきませんが、元教師の説得力がある話には、ついつい聞き入ってしまいます。教育同様干し芋づくりも熱心で、タツマのために今年も美味しい干し芋をつくってくれています。
12.信やん(金沢信男)
永井先生の畑を一手に引き受けているのが、信やんです。
ほしいも作りも信やんが中心で、信やんがいるからこそ、永井先生のほしいもがあると言っても過言ではありません。
永井先生の畑だけではなく、近隣農家の農作業の手伝いもします。
高齢化が進み、休耕畑や荒れてしまう畑が増えている中、信やんがいるからこそ、良い状態が保たれている畑もあります。
その働き者ぶりは、タツマも見習いたいほどです。
13.真澄さん(飛田真澄)
タツマでも玉豊を栽培していますが、真澄さんはその指導をしてくれます。とにかく、“農業のことならまかせておけ”という位、博学です。
チャレンジ精神も旺盛で、玉豊をはじめ、いずみ・玉乙女・人参芋と何種類もの原料芋をつくっています。そして、平干し・丸干し・角切りとタツマの要望に応えて干し芋づくりもしてくれます。
何か困ったことがあったら、まず相談に行く。そんな頼もしい農家さんです。
14.信義さん
昔ながらの薪を使って、干し芋作りをしています。しかも希少品種のいずみを専門につくっています。タツマにとっても貴重な存在です。
以前干し芋の時季ではない時に信義さんのところへ遊びに行きました。すると、薪割りをしていました。「薪があるから今年も仕方が無い、干し芋をやるか」冗談ながらそんなことを言っていました。
15.ぎんさん
ぎんさんも、薪ふかしで干し芋をつくります。薪でじっくりと熱が伝わった干し芋は格別の美味しさです。ただ、生産量が少なくなかなか手に入りません。
ぎんさんは女手ひとつで玉豊の作付けから収穫そして、薪を使って干し芋作りをするスーパーおばあさんです。
余談ですが、ぎんさんと信義さんは、小学校の同級生です。
16.長砂農園
ほしいもにするサツマイモを専門に栽培しています。そして、すべての畑が有機栽培です。
品種もほしいもとして一般的な玉豊(たまゆたか)をはじめ、貴重ないずみ、玉乙女、他にも安納芋、人参芋、紫芋、太白芋などさまざまな品種で有機ほしいもを生産しています。
春から秋にかけては毎日畑仕事をするまじめな農家。有機ほしいも一途の干し芋農家です。
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